ときどき利用する国道の法面で杉が一部皆伐された。何が始まったのかよくわからなかった。杉の伐採にしてはときに30人ほどの人員がいたこともあるので、どうも伐採だけが目的ではないらしい。
そのうちに、モノレールのようなものも動員されていた。これは木材の運搬というより資材の運搬に使われている気がする。というのは、ほぼ全部の木が伐採され集材されているのにまだ置かれていたからだ。
岩盤にはアンカーが穿たれ、網やロープが縦横に使われ始めた。この資材を急斜面に持ち運ぶこと自体大変な作業であることが想像できる。そばにあった工事用の看板を見たら、国道の法面からの落石対策工事であることが分かった。総工費は3124万円であることが明示されていた。
法面の上の方はワイヤーロープがダイヤ状に設置されていた。これで工事終了なのかどうかはわからない。ここに生コンを吹き付けるのだろうか。素人はそんなこんな疑問を持ちながら道路を通過するだけだ。その手前には、落石を受け止めるフェンスがついに完成していた。
都会に育ったオイラは国道というと少なくとも4~6車線はあり、排気ガスが気になるイメージがあるが、この中山間地は2車線しかない。場所によっては車1台がやっと通れるほどの狭い難関もあり、しばしば一時停止して相手の車の通行を待つことはふつうだ。しかも、一日中薄暗い所もあり、冬は道路が凍結してしまう危険な箇所もあるくらいだ。
この工事は、多機能型落石防護柵の「SPARCフェンス」というものらしい。スパークの意味は分からないが、正面から見たのが上のイラストだ。
この工事手順は、①足場準備 ②穴を開けてアンカーを挿入する「削孔」 ③穴の空洞を埋める「グラウト」の注入。つまり生コンのようなものを注入する ④アンカー確認試験 ⑤支柱建て込み ⑥ワイヤーロープ設置 ⑦ワイヤーネット設置 ⑧金網設置 以上で完了となる。
これだけの工事だけでも結構時間が必要だ。そういえば、この国道沿いの擁壁のほとんどはこれらの防護柵やカーテンネット及びコンクリート吹き付けがほとんど。岩盤がむき出しの場所はほとんどないといってもいいくらいだ。災害列島日本の現実はこうした防禦技術に支えられているのを発見する。
(イラスト・工事手順は「kkプロテックエンジニアリング」webから)