ここ最近、ハトムギの種の選別に追われている。そんなとき、2cmほどの小さな虫が紛れていた。ひょっとすると、お腹のふくらみからアレかなと推理したが、どうも小さすぎる。しかも、アレは青のメタルカラーのはずだったが、これはむしろ黒っぽい。似ているのは、上翅が腹部の半分ほどの長さで、後翅が無く退化していた。つまり、飛ぶことができず、歩くことを選択した昆虫だった。
アレとは、畑周辺で約2~3年ごとに見つかるツチハンミョウだった。カエルや野鳥から身を守るため脚の関節から黄色い体液の毒を出すが、それに触ると、水泡ができ腫れるという危険な虫とされている。今見たこの虫は、大きさや体色の青黒カラーからして「ヒメツチハンミョウ」(ツチハンミョウ科)のようだ。
メスは4000個の卵を産む。というのも、幼虫はマルハナバチをひたすら待ち続け、チャンスが来ればそのハチにしがみついてその巣の中に侵入することだった。そこで、花粉団子を食べて成虫になっていく。まさにパラサイトだ。ただしその期間は4日間しかない。その間にマルハナバチのしがみつかないと死が待っている。だから、メスは懸命に大量の卵を土中に卵を産むしかない。
オラがみたのはそのメスだったが、オスは触覚に団子状の瘤があるのが特徴だ。交尾前にオスがメスの触覚どおしをこする儀式があるという。(上の画像はオス、《ほくせつの生き物》webから)