数株だったコゴミはいつのまにか広い畑となった。日陰だったデッドゾーンがいまやコゴミを踏まないように歩くようになったほどだ。おかげで、最近は食べきれないので近所や友人におすそ分けするようになってきた。ぐうたら農法そのものの真価?が出ている放任極地の畑だ。
コゴミの収穫は一週間以内がいのち。一日でものんびりしていると、あっという間に時期を逃してしまう。きょうが最終日となりそうだ。ヤマビルも徘徊しているのでそそくさと収穫して、水洗いして近所に配る。さいわい、近所で栽培している人はいない。一昨日、焚き火会をしたときもその場で収穫して友人に食べてもらう。そのうえで、コゴミの根っこの株をプレゼントしたばかりだ。ついでに、ヤマウドの新芽の酢味噌あえを味わったり、裏山でワラビ採りも行う。
近所にコゴミを持っていったら、肥料袋いっぱいのヤツガシラの親株と子株をいただく。親株だけで十数個もあったからオラの頭が八個あっても足りない。このへんが過疎地の醍醐味で、平身低頭して今回もありがたくいただく。
さらに、近くの知り合いにもコゴミを持参したら、採りたての太いワラビをひとつかみいや両手でたっぷりいただく。これだけ状態のいいワラビがそろうのも過疎地ならでは贅沢だ。わが裏山では量は採れてもこれだけ太い良品は収穫できない。市場に出しても遜色ないワラビだった。山菜が身近に手に入る豊穣を都会は今こそ学ばなければならない。