無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

Azumino自給農スクール10月(自然菜園実践コース:自然堆肥の造り方)

2013-10-29 21:14:22 | 自然菜園スクール
本日、のち、

週末、2日間Azumino自給農スクールを開催し、本日「やさい畑」(家の光)さんの取材を終え一息です。
雑誌の撮影と取材は2年間先取りで行われ、2年間の連載企画です。


自然菜園を始めたい方で、今まで長く化学肥料・農薬で栽培されてきた畑や、庭や空き地、そして田んぼといった菜園でなかった場所でいきなり自然に野菜を無農薬で育てようとしても、なんでも育つ菜園にするにはなかなか大変なものあります。

というのは、環境がとても大切だからです。
自然に育つには、土に多くの微生物やミミズなどの大型の土壌生物など多様な土の生き物が住める環境であり、野菜と調和がとれてはじめて自然に育つからです。


特に、化学肥料や農薬を多用して長期間栽培してきた畑では、生き物は単純化し、少なく、化学肥料農薬だけでは育ちにくく、微生物を取り込む意味でも堆肥なども併用してはじめて育つ環境になっていることが多く、

庭や空き地、元田んぼには、野菜が育つ環境でない生き物が住み、もしくは生き物が住みにくい環境にあり、土も固く、単粒で、水持ち水はけが悪く、雨が降ると水たまりができ、乾くとひび割れたり、根が張りにくく、野菜の育ちが悪いことが多いものです。

そこで、元々有機農業や、自然農法などで行われてきた土の生き物が豊富で、バランスが取れて野菜が育つ畑でなければ、質の良い堆肥を用いて、いったん土にテコ入れし、肥沃な土壌になるきっかけをつくって畑にしてから取り組み始めるのが無難です

その後、毎年堆肥を投入しなくても、草マルチや補いなどで十分育つお世話(管理)をして、年々自然に育ちやすい菜園に育てていきます。

質の良い堆肥が手に入らなければ、身近に手に入る有機物(草、ワラ、落ち葉)などを主体に、自然堆肥を自作してみるのも手だと思います。





今回は、Azumino自給農スクールの畑の畦草と、ソバを脱穀した後のソバ藁と、ちょっとのモミガラ(一輪車2杯分)を主に、落ち葉なしで造ることにしました。

堆肥は、橋本力男先生から教わった草質堆肥をベースに造っております。

ポイントは、堆肥の材料の割合が、8:2がポイントです。
8は、炭素系資材今回は、畦草、ソバ藁、モミガラで、一輪車でしっかり計量して重ねていきます。


2は、チッソ系資材で、今回は米ぬかと平飼いの良質な乾燥鶏糞を使いました。

材料は質が命なので、新鮮な米ぬか、そして抗生物質や高濃度配合飼料に依存したブロイラーの鶏糞は避け、信用できるところもものを使いました。

鶏糞が手に入らない場合は、遺伝子組み換えでない油粕でも大丈夫です。




それらを炭素系資材と重ねて混ぜていきます。


そこに、去年造った質の良い自然堆肥をコンテナ2杯ほど種菌として入れました。

お味噌造りと同じで、前回うまくいったものを少量入れると発酵がスムーズに行くからです。

良質な堆肥がない場合は、有用微生物資材や落ち葉、ボカシなどでも代用できます。


すべて重ねていくのは大変な労働。

しかし、土を育てるきっかけになる大切な野良仕事。ここは根性をいれて取り組んでおいた方が後々楽が出来ます。




今度は、水を加えながら混ぜていきます。

水分量も大切です。


この場合、力を入れて握ってはじめて水が少しぽたぽたと垂れてくる位にしました。




初期は温まりやすくするために、ブルーシートで覆い、重しに穴のあいた絨毯や石を置きました。



自然堆肥を仕込んでから2日目。

ブルーシートを剥ぐと蒸気が出てきます。触るとかなり温かく寝てしまいたい感じです。


まだ仕込んでから2日というのに、胞子のような白い菌糸があちこちに点在していました。


温度は、45~48℃。

これから一層上がっていく感じです。

積みこんでから3日で60℃位まで上昇して安定してくれたら、積み込み(仕込み)も上手に行った証拠。
これから様子をみながら切り返し、空気や水を補っていき、温度が40℃に落ち着いてくるまで1~2カ月発酵を促進させます。

その後、この材料であれば半年熟成させ、出来上がった堆肥の質をチェックしてから菜園に補ってあげます。

自然菜園では、なるべく自然に育てたいけれど、野菜も全くの野生で自然のものでないので、野菜が育ちにくい場合や、今までの経歴や生えている草や土壌分析から最低限のテコ入れとしてこのようにして造った堆肥を自然菜園をはじめる際に利用します。

その後は、堆肥を入れ続けれるのではなく、そこに生えてきた草を野菜の根元に刈って敷くだけで、
草マルチの下に生き物が集まり、分解し、自然とその場その場に合った自然堆肥になり、土に還っていくようになれば必要がなくなります。


手間はかかりますが、味噌、醤油と同じで発酵技術を駆使した自然堆肥を造り、土に返してから自然菜園をはじめるととてもスムーズにはじめられるので、お奨めです。

※堆肥造りはとても技術が必要なものです。このブログだけでは伝えにくいので、ごめんなさい。
詳しく学びたい方は、橋本力男先生の堆肥講座や著書で学ばれることをお奨めします。

コメント (6)
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