無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

玉ねぎの自家採種の仕方について

2009-04-07 09:05:30 | コメントの公開
本日
良いお天気が続きます。

昨日「玉ねぎの自家採種」について質問がコメントに寄せられました。
とても良い質問だったので、わかる範囲でお伝えしたいと思います。


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【質問】
同じ野菜の種を、ちょっと違った植え方をしてみるというのは、リスク管理の面からも良いことのように思います。

特に、最近のように気象の変化が激しいと、単一の方法だと上手くいかない場合は全滅する可能性もありますもんね。

 私も今年は玉ネギの自家採種にも挑戦してみようと思っています。

また具体的な方法を解説していただけたら嬉しいです。

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【玉ねぎの自家採種】

自家採種の目的
まずは、「どんな玉ねぎの種を残したいのか?」
私の場合、自給用で、無肥料でも育ち、大きさはビリヤード位、風味は抜群で、
保存期間が5月位まで持つ、寒さに強い玉ねぎを栽培していきたいので、

そのための栽培方法
親になる玉ねぎを選ぶときに、栽培方法と品種を、品種:奥州玉ねぎに定め、自然農で栽培しました。

友人に教わった自家採種の方法
①まず、自分が食べたい玉ねぎの種を蒔き、苗を育て、玉ねぎを収穫します。
②6月に収穫した玉ねぎの中から、塔立ちしていない玉ねぎの中から、
自分好みの形質(大きさ・育ち具合)を20玉位選抜し、雨の当たらない軒下に吊るして乾燥させておく。
③10月頃、玉ねぎの苗が売り出されたころ(玉ねぎを定植するころ)、
20cm間隔に②の玉ねぎを土の上に並べて移植。
④玉ねぎが動かないように、玉ねぎ3分の1位が土に埋まっている位でよい。
⑤10月末に、玉ねぎを抜こうすると抜けない。
つまり、新しい根っこが十分に張っていることを確認してから、
玉ねぎが全部隠れるように土をかける。
⑥場所は、土が豊かで他の玉ねぎのタネ採りが行われていない場所で、
寒冷地の場合、埋めた後稲藁などで越冬しやすくする。
⑦年が明け、玉ねぎの収穫頃、ネギ坊主ができるので
種が黒くなりはじける前に、収穫し、ネギ坊主ごと10日間ほど乾燥。
⑧その後、手でよく揉み、種と乾燥剤を一緒に冷暗所に保存。

種を蒔いてからだと、9月から2年後の夏に収穫ということになる。
タネを採る、すなわち自家採種は野菜の一生を通じて栽培するので、
手間はかかるが、野菜の本当の姿を学べ、また畑にぴったりの在来種が育成できるのでお薦めです。

(余談〉 
最近の玉ねぎは、昔からの産地をのぞいてほとんどが、F1(交配)品種になっています。
F1品種は、両親が形質の異なるので、人間でいえばハーフのことです。
「○○交配」と表記されているものがF1種子です。

●デメリットは、子孫以降は同じ形質は出ないため、同じ品種は購入しないといけないこと。
■メリットとは、ハーフなので、両親のいいところがでる。
玉ねぎでいえば、発芽がそろったり、玉の張りの良いもの、売れそうな品種を人工的に設計できることにあります。

個人的には、世間でいわれているほど、F1も捨てたものではなく、
子孫の中から、自分の畑に合った品種を選抜していけば、
自分オリジナルの品種を固定することもできます。

ただ、正直最近の市販品種のF1は、
農薬・肥料などやハウスといった特別の条件下で栽培することを前提とし、いわゆる慣行栽培向きです。
市場に流通させやすい形と大きさが揃う品種で、美味しくないのが多く、
魅力的なF1は少なく、自家採種してもいい種がなかなか残せないのも事実です。


質問からかなり脱線しましたが、
玉ねぎの自家採種以前に、現在市販されている玉ねぎの品種のほとんどは、
間違いなくF1なので、今回は、僕好みの基準で玉ねぎの自家採種のお話をご紹介しました。

●お知らせ●
いよいよ締め切りが迫った、
NHK文化カルチャーセンターの自然栽培講座、
大好評で、まだお席が各講座少し残っています。
興味がございましたら、ご予約くださいね。

松本iCITY教室(NHK文化カルチャーセンター)で、
今年1年講師をやらせていただけるようになりました。
家庭菜園をはじめたい人、無農薬栽培を学びたい人、
ご参加をお待ちしております。

『無農薬栽培 プランターで野菜作り』4/25(土)13:30~16:00
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491211.html

『美味しく簡単に無農薬・家庭菜園の法則』4/22~6/10
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491207.html

『無農薬栽培 コンパニオンプランツ』5/23(土)13:30~15:30
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491230.html

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