ステージおきたま

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畑本格化!ブロッコリー・カリフラワー移植

2016-05-07 08:53:16 | 農業

 ようやくと言おうか、早いもんだと言おうか、4月はじめ種を播いたブロッコリーとカリフラワーが畑移植だ。ストーブの前、一等地でぬくぬくと大切に育てられて、今じゃ背丈が20センチにもなる見事な苗に仕上がった。我が家でも生抜きの良質畑土に、完熟たい肥をたっぷり、ぼかし肥もふんだん、それに燻炭も加えて、最後まで肥料効果が持続する苗土を作った。これが効いた。こんなおがっているのに、双葉はまだ青々としている。教え子のプロ野菜農家がフェースブックにアップしたブロッコリー苗の画像、双葉がすでに黄色く枯れかかってたから、プロだろ、しっかりしろよ!なんて憎まれ口をぶっかけてやった。そのくらい立派な自信作だ。キャベツも同時に育てて来たのだが、こちらはやや遅れ気味、来週まで待つことにする。

 ここまでは、予定通り、問題はこの先にある。春作のアブラナ科野菜には、ともかく敵が多い。まずは、夜盗虫、こいつは、しつこく冬越しして土の中で捲土重来を期している。苗が近くに植えられようものなら、待ってましたと茎を食いちぎる。葉っぱなんか見向きもせず、土に近い茎のたった1か所だけ食らいつく。その一撃で苗は簡単にダウン、それまでの苦労はすべて萎れて枯れ果てる。自分だって、それで食い物がなくなるっていうのに。本当におバカで憎たらしい虫だ。地中で潜航生活を送っているので、戦うには土をいじいじとほじくり返す以外にない。うんざりするほど根気のいる腹立つほど切ない作業だ。僕にはできない。大きくなった苗にはいつの間にか卵が産みつけられ、これがまた猛烈な食欲を示して食い進む。キャベツなど、球の中にカッパドキアの迷路ができるほどだ。こいつのためには、農薬だって使ってやろうか、なんて不穏な考えに押しやられそうなったりもする。

 もう一つは、モンシロチョウだ。畑の上をひらひらと飛び交う様は、いかにも春の風情、と長閑に感じるかもしれないが、それは、”ぼく食べる人”、(へへ古いテレビCM、ジェンダーの視点から猛反発を受けて放送中止に追い込まれたやつ、今書いてる台本がその時代を扱ってるのでつい口をついて出た。)の現実を知らぬのほほん感覚だ。この可愛らしい天使たち、野菜にとっては小憎らしい害虫どもなのだ。葉に大量に卵を生みつけ、それが孵れば、腹ペコ青虫さんになって、のべつ幕なし食い続けて、満腹青虫さんになっていくのだ。ほっとおけば、葉っぱは見事なレースハンカチに変貌してしまう。

 この2大強敵との無農薬での戦いは、ひたすら索敵掃討作戦しかない。しかし、飽きっぽい僕などが取り組める戦法ではない。となると、まずは水際作戦、敵の侵入を防ぐのが一番ということになる。そこで、去年から実践しているのが、防虫紗幕によるマルチング。植えた苗の上をトンネル状に入り込む隙なきよう覆ってやる。土中に潜む夜盗虫には効果はないが、飛来するモンシロチョウと夜盗蛾には効果的だ。というか、これしかない。もう一つ、蝶や蛾が活発に動き始める前にできるだけ大きく成長させて、食害の相対的程度を低く抑えることだ。このどちらをも、今年は実践した。

 不慣れな畑作業で、植える幅を広くしすぎて紗幕でカバーするのが容易でなかったが、なんとかブロッコリー22個、カリフラワー22個の定植を済ませることができた。間を広く取った分、紗幕とぎりぎりで、育つにつれ肩を押さえられることになるが、植えてしまったから、仕方ない、諦めよう。次回、キャベツはこの失敗経験を生かして、トンネルの中に苗たちが気持ちよく収まるよう植えてやろう。そう、なんだって、失敗から学んで人はお利口になって行くんだ。

コメント
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