ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

そうだ、水張ればいいんだ!

2016-05-10 08:25:34 | 農業

 どうしよう?昼から出かけなくちゃならんのに、天気は快晴、お日さんぎらぎら!熱気むんむんだ。だっぷり水撒いたとしても、この暑さなら1時間でカラカラに乾いてしまうだろう。せっかく出始めた稲の苗、全滅の公算大だ。ああもう、どうしてこんな時期に予定組んじまったんだよ、種まきから2週間、せめて10日間は出歩かない、これ鉄則だろ、とぐじぐしぐじ、愚痴ったところで後の祭り、今さら変更がきくわけもない。

 じゃあ、まず側壁のビニールを下せるだけ下し、風通しをよくして少しでもハウス内の温度を下げる。後は、やっぱり直前にだっぷり水かけ、これしか手の打ちようがない。用事が済んだら飛んで帰って、水をやる。それまでなんとか耐えてくれ、堪えておくれ!

 と、散水し始めて、ハタと気づいた。そうだ、水張っちゃえばいいんだよ。苗箱によってはずいぶん大きく育っているのもあるが、まだ芽が出たばかりって箱もあって、できればあと数日間このまま乾田状態で育てたい、でも、もう背に腹は代えられぬ、水を入れよう、プールにしてしまおう。そうだ、そうだ、それしかない。

 そうと決めれば、やることがある。箱の下に紗幕を敷き詰めるってのをやってみようじゃないか。農機屋さんから教わった篤農?技術だ。箱の下に根が張り出すのを紗幕が防いでくれるって言うんだ。ほんとかいな?と疑る気持ちは満々なのだが、上手く行くならそれに越したことはない。田植え直前の根切り作業のうっとうしさを思うと、藁にだって縋ってしまおう。

 やっかいなことだが、せっかく並べた苗箱をいったんプールから外に出し、空のプールにして紗幕を敷き詰める。箱を中に並べ入れて完了。書くだけなら、たったの1行のことだが、重い苗箱を腰をかがめて移動させる作業はけっこうきつい。腰に来る。びっしょり汗まみれになりながら、コシヒカリの3つのプールに紗幕を敷き終えた。ヒトメボレの方は、今年は様子見というこにしておこう。コシヒカリで上手く行ったら、来年は全面的に導入ということする。

 さて、水を入れる。溜まるかな?水漏れはないか?なんせ、3年間使ったビニールだ、どこかに引っ掛け穴があることも大いに考えられる。劣化による水漏れも心配だ。実際、敷き詰めた時に数か所破れを見つけてガムテープで補修してある。ガムテープの防水性には疑問があったが、なんとか田植えまでの数週間持ってくれ!水を入れてみなければ、水漏れの有無はわからない。もし水漏れがわかれば、箱をすべて出してビニールを敷きなおし、再度箱を並べるって作業が待っている。もう、たくさん!もう結構!頼む、溜まってくれ!

 切なる願いが通じたのか、3年間も大切に使い続けるというエコロジー、エコノミー精神に稲の神様が味方してくれたのか、水はどんどん溜まっていく。よしよし、これなら大丈夫。少なくとも、今日半日出かけている間くらいは水が持つだろう。いやはや助かった。箱が水に浸かり、根っこが水田状態にあれば、暑かろうが寒かろうが、多少の気温変動になんかにはびくともしない。そう、稲は水生植物なんたから。水は偉大だから。

 プールに水が入って、育苗は一段落、次なる不安の種は、育苗土に畑土を使ったことと、米ぬか中心に作ったぼかし肥えがどんな影響を及ぼすかってことだ。おっと、田んぼの準備も手付かずだった。イチゴ畑も草がひどいぞ。楽しむ農業から強いられる農業へ、ここらが転換点ってことだ。

コメント
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