ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

芽出し成功!でびっくりマークかよ?

2016-05-04 08:54:24 | 農業

 種まきから9日、稲の芽がどうにか出そろった。芽出し成功!って喜ぶほどのことなんだよ、我が家にとっちゃ。

 ここ数年、まともに発芽をそろえることができなかった。炎天下シートで覆い続けて焼いてしまったり、苗箱が水分過剰で発芽障害を起こしたり、ともかく、連休って言やぁ、孤独なまき直し作業に精を出していた。ハウスの中で苗箱一枚一枚、植穴1個1個、土をほじくり出しては新たに種を播き、覆土して水やり、こんな作業を多い時は100枚、少ない時でも60枚は行った。2日、時には4日にわたる過酷でむなしい作業だった。

 なんたってそう失敗を繰り返すのか?プロからは、まっ、そんなもんだべ俄か百姓は!って一言で片づけられるよな。でもなぁ、こっちはこっちでいろいろ困難を抱えているんだよ。一つは、ポット育苗だってこと。ポットごと独立してるから土の水分管理がとても難しい。しかもすぐに乾く。二つ目はプール育苗だってこと。ビニールを張ったプールの上に箱を並べる。当然苗箱の温度は上昇する。だから乾く。で水を撒く。と、ビニールだから水漏れせずすぐにたまる。これが過剰水分の原因になる。三つめは保温シートが30年前のレアもの、これまた赤湯園芸高校廃校の際の廃棄物品の再利用、今どきのシルバーシートのように、保温もしつつ太陽光を遮る効果なんてあるはずもない。ひたすら保温・蓄熱の頑固者、日が差さなくたってたちまち40度突破もざらって代物だ。さらに、今じゃどの農家だって当たり前の芽出しボックス?(種まきを終えた苗箱はどでかいビニール製の保温器に入れられ適正温度で発芽させ、芽が出たものをハウスに並べる。失敗無縁!)なんて持ってるわけもない。

 要するに技術も知識も機材も足りないくせに、やたら難易度の高い育苗をしてるってことなんだな。

 先輩のアドバイスをすなおに実践して失敗したって面もある。例えば、苗箱並べたらシートははぐるなって教え。これを教条的に守って何度も種を焼いた。芽が出るまで水をやるな、この教義に従って種を枯らした。いやいや諸先人を恨んではならない。我が家の育苗方法が柄にもなく背伸びをしているわけなんだから、彼らの教えが通用しなくて当然だったのだ。そのことに気付くのに10年以上もかかったってことだ。

 今年は、芽が出るまでの水やりも、ジョロでピンポイント給水!?水分過剰を避けつつ乾燥も防ぐ。なんとも家庭園芸的な手法で乗り切った。それも好天時には1時間おき!常にハウスと家を行ったり来たり。それでも、一部窪地に水が溜まれば、箱の下に板を置いて床上浸水状態から救い出す。もう、ほんと、こまめ、こまめ!

 その甲斐あっての発芽そろい、これはやっぱり、びっくりマークだろうが。これで、米作り最初の難関は突破した。あと1週間もすればプールに水を張り、ハウス内を田んぼ状態にしてしまう。こうなれば、こっちのもんだ。少しの暑さ寒さにも動じない。水の保温効果が稲の赤ちゃんを守ってくれる。さっ、そろそろ田んぼの準備にかからなくっちゃ。おっとその前に台本、台本、これ書き上げちまわないとね。

コメント
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