ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

公演盛況!『女たちの満州』

2016-05-30 09:12:15 | 演劇

 久しぶりだなぁ、観客数250人を超えた。客席の後部席1/3は仕切り幕で立ち入り禁止にしてあるからホール全体じゃないが、客席として用意した部分はほぼ8割がた埋まった。これだけ詰まると、満席感たっぷり、いやぁぁ、嬉しくなるなぁ。役者も気合いが入ったろう。

 これだけ人を集められたのは、やはりテーマ「満州」が大きいかな。全国紙2誌も取り上げてくれたように、戦後70年を経過してほぼ埋もれつつあった戦争の記憶を、今もう一度呼び覚ましておこう、との気分が広がってるいるんじゃないだろうか。特に安保法制化問題で不安を感じるシニア層には、なんとか戦時の実態を伝えて欲しいとの思いが強いように感じる。見終わった観客からも、ぜひ、他でも公演し多くの人たち、特に若い人に見せてほしいとの声が多く寄せられていた。カーテンコールの挨拶に対しても、客席から「よしっ!」と声がかかったりして、ちょっと政治集会の趣で、苦笑してしまった。

 「女」を手掛かりに歴史を探っていく、菜の花座の新趣向も、どうやらお客さんに好意的に受け止められたようだ。笑い満載の楽しいものもいいが、重いテーマをしっかりと作り込んだ重厚な作品には代えがたいとの声も聞こえた。自由を手にしてどんな世界にも羽ばたき可能のように見える今の女性たち、実は様々な側圧がかかっていて、生きづらさは日々募っているのかもしれない。まだまだ女たちの苦難は続く。

 菜の花座のファンがじわじわと増えつつあるという面もあるかな?今回もそうだったが、いつの公演でも必ず見る顔がずいぶん見受けられた。拙いなりにも鑑賞に堪える作品を作り続けて来たことが劇団への信頼につながっているのだと思う。

 さらに大きいのは、菜の花座の営業部長のナヲコさんの存在だ。ご近所さんを中心に、飛び込みの売り込みまでして、56枚ものチケットを売り捌いてくれた。これまでの菜の花座になかった力だ。他のメンバーも見習わなけりゃならん、と同時に、「ぜひ、見て欲しい作品だと思ったから売れた」との彼女の言葉、作る立場として、これからもきつく心に留めておかにゃならんなぁ。

 さて、観客の反応だ。幕が降りたときの拍手に熱いものが感じられたものの、うむ?上手く行ったのかな?一抹の不安もあった。テーマが重いし、歴史作品だし、どう受け止めてもらったか、気になった。が、客だしの光景を見て、不安は安堵に変わった。一列に並んで挨拶する役者たちの前にずらりと長い観客の列ができていた。出演者一人一人に感動とねぎらいの言葉を伝えたくて、並んでいる。中には涙に目を潤ませる人もいる。役者もついもらい泣きをして、共に感動の涙にくれる姿も見られた。100人と握手したと言う役者もいたりして、お客さんの好感度は間違いなかったようだ。反対側に立つ僕もお褒めの言葉を幾つもいただいた。まずは、成功、自信を深めることのできた公演だった。

 今回は概況の報告のみ、作・演出から見た公演評は次回書くことにしよう。

 

 

 

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