さっそく鳶口の使い勝手を試す時がやってきた。泥水地の護岸用に丸太を使うのだが、新しい丸太は昨年の台風で林内に多々あるけれど、300メートルほども運ばねばならない。一人ではいかんせん非力なので、すでに泥水地に埋め込んである丸太を活用することにした。これなら20mで済むのだ。
この丸太4本は、二本づつ並べて桟橋風に畦からだしていたのだが、泥水地が増えたこともあり必要が無い、としてもかまわない構造物だからだ。僅かに水面に出ている丸太に鳶口を打ち込んで引いてみたが、まことに具合がよろしい。
何よりも手袋や腕が汚れない。従来だとツルハシで浮かせ、ロープを掛けるか片側を抱えて運ぶしかなかったのである。作業姿勢も楽になったし、足場が泥濘地なだけに、道具の有り難味を実感する作業となった。
除伐済みヒコ生え除く年々もいつ果てるやら竹との攻防
高き陽に冬は戻らぬ春彼岸東風よりまじか梅から桜
大雪に想えば悲し故里の時は過ぎ去る距離離れゆく
同胞は老いの舞台となり揃い胸に懸念の種は尽きまじ