トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

出来た事にするマリオネット「リトルミイ」15 (山がミイを呼んでいる)

2019-05-18 | 何よりの楽しみ
 改良版として2作目、ようやく「完成だろう」までこぎつけた。どんな玩具制作でも同じなのだが出来上がって最初の試しは少なからず心躍るものがある。子ども時代、玩具など家に無く日々の遊びの中で作っていくしかなかった環境では異年齢集団での餓鬼大将・外遊びが当然の帰結か…。玩具に飢えた記憶が今になって奔らせる。

 小学生の頃だろうが、玩具屋を営んでいた母の妹の葬儀の後に母の姉妹が実家に立ち寄りお土産の玩具を分けていた事があった。その中に赤いラッパがあったのだが小生はとても欲しくて欲しくて固唾をのんで見守っていた記憶が今でも鮮明にある。勿論、野山でラッパを吹きたかったのだが、近ごろはTVでラッパーが吹く。
 結局は母の取り分の中に入ってこなかったラッパであるけれど、あの時の残念な気持ちは忘れてはいない。丁度ソ連がライカ犬を打ち上げた頃で、従妹あてに一度だけ年賀はがきを出した覚えがあって、葬儀の翌年あたりなのだろうけれど母に促されての年賀はがきで「ラッパを貰えなかったのに・・・」と理不尽に思ったものだ。

 さて工作の方はと言うと途中で操作盤の握り手をピストル型から中央部での握り棒式に変更した。その理由は重心が握りの部分より外れているから持ち重りがする。短時間の操作なら問題ないけれど子どもにはちときつい。そこで支えるに楽な重心近くに握り棒を付け替えたけれど、これに依って握っている手の親指で頭部レバーの操作が難しくなって操作は右手に委ねられる事になる。

 糸で繋げて試し操作をする。やはり問題が出てくる。脚の糸が顔前を通るので見る方はうっとおしく感じるだろう。ここは操作盤で左右の間隔を取るべきだった。一般的な操作木は左右の距離を広く取っている。自作して初めて納得した。

 「新機軸」あるいは「特許」にも相当するかと思えた腕の操作機構だが、これも見掛け倒しに終わった。上下の動きは問題が無くても左右の動きに反映がほとんどない。棒状の剛体で接続してあるなら遊びが無いのでダイレクトに伝わるだろうが所詮、糸のような伸びる素材では操作盤上の動きが腕へ同じベクトルとして伝わらない。

 頭部の動きは傾けるのはスムーズだったが左右への振り向きは胴体が付いてくるから動きとして現れない。これも見掛け倒しだった。
 しかしながら2体制作して動かしてみると操り人形を操る奥深さみたいなものが何となく分かる。結構リアルだし操作盤あるいは操作木であったとしても、ランダムな動かし方で人形も思わぬ姿勢と動きを表現してくれる。これでは子どもたちにとっては術中にはまってしまうだろう。

   ピストル型から握り棒式に変更        二体目のリトルミイ

 まあ、欲を言えば直したいところはあるけれど「遙かなる山の呼び声」が空耳でも聞こえてくる若葉萌え出づる頃では蟄居工作で遊んでもいられない。「山がミイを呼んでいる」と言えば「ジイを呼んでいる」とチャチャも聞こえてくる。今季こそは水源地の谷止工を終わらせたい。