トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

山の子、街の子

2017-07-16 | 遊び子は
 「ジージ」とは言ってくれず就学前でも名字で呼んでくるフイールドで出会うおチビちゃん達。なかには「カブトムシ欲しい…」と言う様な子等もいて、ようやく捕獲器を使おうと雨上がりの午後に餌を持って出かけた。小生の誘因物は果物クズに酒粕キャラメル大である。

 ところが既に会友のY氏とY氏が大量に採集していた。まさしく「ワーイ、ワーイ」だ。方法を尋ねたら「幼虫がいた場所を掘った」との事で、真昼間だったから竹粉腐食物の中で夜を待っていたのだろう。
 「その手があったか」と思ったものの一応はトラップに餌を投じ一晩待つことにしたのだが、Y氏が近所に貰い手がいれば譲ると言うのでもらってきた。

 帰路、銀行で通帳記入する間に子どもを連れたママさんに「カブトムシあげるけど…」と声掛けしたら、子どもに聞くより早く「怖がるから」と却下。自宅前を下校する小学生に声掛けしたら「要らない」のつれない返事ばかりだった。街中の子どもこそ飢えて目の色変え漁って行くだろうと想像していたのに腰砕けである。

 山に来る子ども達と何が違うのだろうと思いつつ浮かんできた歌が「山の子の歌」だった。ユースホステルを利用して山旅していた頃に覚えた歌なのだが「雨が降りてるてる坊主が泣いても 私たちは泣かないで山を見つめる 山の子は山の子はみんな強いよ」の歌詞が、豪雨による山間部の災害と重なってしまう。
 まあ、カブトムシを欲しがる子どもが強いと言う訳では無いものの、欲しがりもしないのも漁ってしまうのも、どちらも寂しい気分になる。
 災害復興には役立たずで迷惑至極だろうが、被災真っ只中の子ども達にはカブトムシでも笑顔を引きだせる力は持っていると思った暑い午後だった。 

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