霧降高原のきすげ平から大笹牧場を経由して県道23号線へ下り、鬼怒川沿いに上流へ向かいます。標高1000m前後の紅葉は今が盛り。周囲の山々の色づきは見事でした。パーキングエリアが無いことや先を急いでいたため、休憩無しで川俣ダムへ向かいます。
瀬戸合トンネルを抜けて川俣ダム方面へ右折、まずは瀬戸合見晴休憩舎「見晴茶屋」に向かいます。周囲の山々の標高は1200m前後ですが、既に紅葉は終わっています。冷たい風が吹き、時々にわか雨がぱらついてきました。見晴茶屋はお休みで、ここからダムに下りることができないため、ダムの駐車場に移動します。
駐車場から5分ほど下ると川俣ダムに到着。川俣ダムは、鬼怒川改修工事の一環として計画され、昭和41年に完成した鬼怒川の最も上流に位置します。洪水による下流河川のはんらんを防ぐための洪水調節、農業用水の供給、発電のためにつくられた、アーチ式コンクリートダムです。現在補強工事が行われている様子です。
補強工事の説明がありました。アーチ式ダムでは、ダム湖の水圧を受ける岩盤をアンカーで補強して安全性を確保している。川俣ダムでは完成から半世紀以上が経過したため、予防保全の観点から既存アンカーの間に更新アンカーを打ち込み、岩盤を補強する工事(岩盤PS工法)が行われています。岩盤を所定の深さまで削孔し、PC鋼より線などを挿入して、プレストレスを導入し、岩盤を緊結一体化する補強工法です。
川俣ダム正面の岸壁に架けられた吊橋「渡らっしゃい吊橋」を渡ることができるようなので、瀬戸合峡遊歩道を10分ほど歩きます。100段以上の階段の上り下りが続きます。
最後の下りでダムと吊橋が見えてきました。ダムの補強工事部分に作業員が見えています。
吊橋に到着。瀬戸合峡の紅葉がきれいです。
アーチ式ダムを正面から見ることができます。型式はアーチ式コンクリートダム 、地質は石英粗面岩質熔結凝灰岩 、堤高117.0m、堤長131m(天端部)、厚さは上部3m、下部12m、総貯水容量は8760万m3あります。ダムの上にはロープウエイが掛けられ、補強工事用の資材が対岸へ運搬されていました。
ちょうど工事用の資材が先ほど見えた対岸へ向けて運搬されていくところです。
吊橋の先は行き止まりです。対岸から振り返ると目の前に日光の山々がそびえています。左のピークが女峰山、右のピークは帝釈山です。この2つのピークは1kmも離れていないため、遠くから見ると山頂を識別するのが難しい山なのです。
川俣ダムの先には、川俣大橋、川俣温泉などの観光地がありますが、紅葉は既に終わっていそうなので、ここで引き返すことにします。
標高800mまで下ると鬼怒川(瀬戸合峡)沿いの紅葉が鮮やかさを増します。
日向地区(野尻公園)で正面の青空の中に虹が出現しました。偶然駐車エリアがあったので車を停めてパチリ。上空は青空ですが風上には積雲があり、雨粒が強風に運ばれてきたのでしょう。珍しい現象です。
紅葉の山にかかる虹
さらにズーム
近くの公園の紅葉が鮮やか。手前は鬼怒川です。
先を急ぎます。トンネルの先は川治ダム。正面の山は標高1000mで紅葉が始まっています。
川治ダムにちょっと寄り道。川治ダムは、利根川総合開発の一環として鬼怒川に計画され、昭和45年に工事が始まり、昭和58年に完成したアーチ式コンクリートダムです。この型式では国内で第4位の高さ(堤高140m) を誇ります。日没が早くなり、日が陰ってきました。 川治ダムは一度見学したことがあるので、駐車場からちらっと眺めるだけにして、栃木県の紅葉巡りはここで終了としました。
先日発表された魅力度ランキングで、不動の茨城県に代わり栃木県が最下位の栄誉に輝いてしまいました。栃木県は海には面していませんが、世界遺産のある日光や、奥日光、塩原、那須といった豊かな自然に恵まれていて何故?という印象です。今後は、地元(単身赴任先です)茨城県と共に栃木県も応援していくことにします。(終わり)