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2020年(令和2年)は大暖冬となっています。今日、気象庁から1月の気候のまとめについて発表がありました。すでに新聞やテレビなどで報道されていますが、統計データとして整理されているので引用します。まずは概況と気温、降雪量、雨量のまとめから。
概況)
冬型の気圧配置が続かず、全国的に天気は数日の周期で変わった。その結果
・全国的に寒気の南下が弱く、北・東・西日本の降雪量はかなり少なかった。
・日照時間は東日本太平洋側ではかなり少なく、西日本でも少なかった。
気温)
月平均気温は東・西日本と沖縄・奄美ではかなり高く、北日本では高かった。
東・西日本ではそれぞれ平年差+2.7℃、+2.8℃と1 月としては1946 年以降で1 位の高温。
地点でみると、全国の気象官署153 地点のうち105 地点で高い方から1 位の値を記録(タイ13地点含む)。
降雪量)
北日本日本海側の降雪量平年比は31%、東・西日本日本海側では0%。
1 月としては1961 年の統計開始以降で少ない記録を更新。
また、西日本太平洋側も0%となり、1972 年と同値だった。
雨量)
北日本日本海側は降水量もかなり少なく、平年比64%と1 月としては1946 年以降で最も少なかった。
数字でまとめると以下のようになります。
(+)*の印で記載されているように、東日本、西日本の気温が平年比で2.5℃以上も高く、特に近畿地方では3℃も高い異常な冬となっています。また、北陸や近畿(日本海側)の降雪量平年値は0%、つまり積雪無しも異常事態です。新潟県のAMEDASでは1月30日に全観測地点で積雪ゼロとなった記録を2月1日の記事でも紹介しました。
平均気温平年差がマップに色分けされています。秋田県から南は、東京と房総半島の一部を除いて橙色に染まっています。
こちらは降水量平年比。日本海側で少なく太平洋側で多く、低気圧や前線が本州付近を通過することが多かったことを反映しています。
11月から1月にかけて少し長期的に見た気温(平年比較)の推移です。東日本、西日本共に12月中旬以降、気温が高い状況が継続し、大寒以降は一層顕著になっています。
気象庁の発表資料には順位更新表が添付されています。関東地方に着目すると
関東地方1位の高温
宇都宮、前橋、熊谷、水戸、甲府、河口湖、秩父、館野(つくば)、館山、勝浦、大島、三宅島、千葉、日光
2位の高温
銚子、横浜
となっています。ほとんどの地点で、同じく大暖冬であった平成元年(昭和64年) を凌ぐ記録的高温となっていますが、、、
あれっ? 東京がありません。気象庁のHPで過去の東京の気温の記録を調べてみたところ
ちょっと小さくて見ずらいので、月平均気温の高い方から書き出してみると、
1位 8.1℃(1989年)
2位 7.7℃(1988年)
3位 7.6℃(2007年)
4位 7.5℃(2000年)
5位 7.4℃(2002年)
6位 7.1℃(2020年)
となり、今年の7.1℃は観測史上6位の記録でした。これは東京の観測地点が都市化が進んだ千代田区大手町から緑が多い北の丸公園に平成26年に移転した影響でしょう。大手町と北の丸公園で並行観測を進めた記録を見ると、移転に伴い1月の平均気温が0.9℃低下したので、もし大手町で観測を続けていたら今年は8.0℃に相当し、他の観測地点同様に観測史上2位以上の高温となっていたことでしょう。
参考までに八王子のAMEDAS記録を見ると、1989年の5.8℃に続く5.6℃となり観測史上2番目の高温、青梅では1989年の5.2℃を上回る5.4℃で観測史上1位。多摩地域では総じて平成元年と同じレベルの暖かさと理解できます。
参考) 東京大手町から北の丸公園への観測地点移転に伴う気温の変化
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