京都の旧立誠小学校にある、立誠シネマに行ったのは、
「その街の子ども」劇場版を見にいったんですね。
5年前に放映された、NHK制作のドラマの劇場版ですけど、
当時も見たし、先日も放映されたので見ました。
15年目の2010年、明日が1月17日、という日に、新神戸駅で、
森山未來くん演じる勇治と、佐藤江梨子さん演じる美夏が、
偶然知り合ったところから始まります。
美夏は、東京から東遊園地でその時を迎えようと神戸に来ました。
勇治は仕事で広島へ向かう途中、思い立って新神戸で降ります。
新幹線の中で、「次は新神戸」というアナウンス。
足の長いモデルのような美夏がドアの方に。
車窓から神戸の街を、ぼんやりと眺める勇治、
車内の電光掲示板に、「阪神淡路大震災から15年・・・」
という文字が流れると、急に席を立って降りてしまうんです。
美夏が声をかけます。
「あのう、三宮って、ここから近いですか?
歩いていけますか?」
「そうですね。ボクも行くんで一緒に行きますか?」
「・・・それって、ナンパですか!」
なんていうようなくだりがありつつ、結局、二人で歩きます。
お互い関西弁なのに、神戸の人間ではなく東京在住やってわかり、
一緒に、居酒屋でご飯を食べるという状況に・・・
当時、神戸に住んでいたというふたり。
ふたりには、抱え続けてきた震災の記憶があった・・・
東遊園地の追悼のつどいに出るという美夏。
「やっぱり、東遊園地に行かはるんですよね?」
「行きませんよ」
「ほな、なんで神戸に来はったんですか?」
「なんでって・・・観光・・」
「はぁ~?」
今まで行けなくて、今年こそは行こうと思った、
そうしないと、行けないと思う、そういう美夏。
「辛いんやったら、行かへんかったらええやないっすか」
「それでも、行かなあかんのです」
震災の話から、、焼き芋を一本2000円で売ってた焼き芋屋の車に、
石を投げた、なんてことをことを話す美夏。
「みんなが困っている時に、
一人だけもうけようとしている奴は許せへんかった。」
勇治は父親が建築関係の「屋根や」をしていて、
修理代を10倍ぐらいふっかけてぼろ儲けしたことを話し、
「結局、頭が良いもんがうまくやっていく、別に悪うないですよ」
美夏が、むっとして、席を立つ・・・
結局、終電を逃して、
御影のおばあちゃん家に歩いていくという美夏に、
引っ張られるように、つきあうことになる勇治。
暗い神戸の街を、ふたりがただただ歩きながら話す、
そんなドラマやねんけど、二人の、あまりにナチュラルで、
あまりにリアルな会話に引き込まれます。
未來くんも、サトエリも、本当に震災の経験者であり、
脚本を書いた渡辺あやさん(「カーネーション」の脚本も)は、
学生時代を神戸で過ごした人やそうです。
当時中学生だった美夏は、幼なじみを亡くしてた。
何度も、その話をしかけては口ごもる。
勇治は、かつて住んでいた灘のあたりに来て、
当時小学生やった自分の悲しい記憶がよみがえる。
「あかんわ。このへん、ちょっと、きつい」
父親が値段をふっかけて修理した家がそこかしこにある、
同級生の家もある・・・父親のせいで孤立した思い出が・・
「確かに、材料はは無かったよ。
でも、相場の、2倍か3倍ぐらいにしてたらえんのに、
10倍なんてするから、神戸におれんようになって・・・
オレの友だち関係を台無しにしあがって~」
美夏は、亡くした同級生の思い出がよみがえり、
ひとりぼっちになった父親にちゃんと挨拶できなかった、
そのことを悔やんでるという。
「おっちゃん、泣いてぼろぼろになってるから、
会わんと東京に行ってしもてん」
御影のおばあちゃんの家に荷物を置いて、
再び、三宮を目指すふたり。
大きな公園の近くで、友だちの父親がいるという、
マンションの1室に電気が灯っているのを見つける。
「やっぱり、今夜は起きてはるんやなぁ。
会うてきたらええやん」
勇治に言われて、会いに行く美夏。
震災の時、子どもだったふたり。
それぞれの記憶、思い、いろんなものが混じり合って、
15年目のその日を、神戸で迎えようとするふたり。
広島に行くという勇治は、建設会社勤務。
「ぜったいに安全です」と言うために、
始発の新幹線で周辺住民への説明会に行くという。
「こっちは商売なんで、上手くだませたらそれでええのんで」
「じゃぁ、なんでここにおるん?」
神戸にいた自分やからわかること、震災に遭ったからわかること、
建築設計をしてるものとして考えたかった・・・
「・・・そう思っているんちゃうの?」
ところどころ、関西人らしいボケとツッコミがあったり、
ふふって笑えるような会話もあって、よけいリアルな二人やった。
「間に合わへん~」
まだ暗い早朝の道を走っていくふたり。
印象的なシーンです。
東遊園地の、ほんまの追悼のつどいをロケにつかってます。
ちょうど、ラストにくるように撮影されたんですね。
「一緒に行かへん?」
「・・・う~ん・・・やっぱり、やめとく、今年は。
また、来年」
信号のところで、握手しようとして、
勇治を抱きしめる美夏。
本当に翌年、そこへ行ってるんかな、勇治。
ふたりは、再会するんかな・・・
そんなことを思ってしまうラストでした。
泣けるところはあったけど、
でも、なんかさわやかな気持ちにもなった。
神戸の住人ではないし、被災した人の辛さや悲しさは、
想像できても、ちゃんとわかってないかも知れない私です。
でも、勇治や美夏の気持ちに、
寄り添えるような気はするんですよね。
演出は、「ちりとてちん」や「あまちゃん」を演出し、
当時、NHK大阪放送局にいた、井上剛さん。
夜の神戸で、終始暗い画面のドラマでいいのか、
不安だったとか言うてはりました。
放映後の反響が、これほどあるとは思わなかったそうです。
NHKが、映像を足して劇場版を制作というのも、
異例のことらしいです。
それだけ、見た人の心に残る作品でした。
「その街の子ども」劇場版を見にいったんですね。
5年前に放映された、NHK制作のドラマの劇場版ですけど、
当時も見たし、先日も放映されたので見ました。
15年目の2010年、明日が1月17日、という日に、新神戸駅で、
森山未來くん演じる勇治と、佐藤江梨子さん演じる美夏が、
偶然知り合ったところから始まります。
美夏は、東京から東遊園地でその時を迎えようと神戸に来ました。
勇治は仕事で広島へ向かう途中、思い立って新神戸で降ります。
新幹線の中で、「次は新神戸」というアナウンス。
足の長いモデルのような美夏がドアの方に。
車窓から神戸の街を、ぼんやりと眺める勇治、
車内の電光掲示板に、「阪神淡路大震災から15年・・・」
という文字が流れると、急に席を立って降りてしまうんです。
美夏が声をかけます。
「あのう、三宮って、ここから近いですか?
歩いていけますか?」
「そうですね。ボクも行くんで一緒に行きますか?」
「・・・それって、ナンパですか!」
なんていうようなくだりがありつつ、結局、二人で歩きます。
お互い関西弁なのに、神戸の人間ではなく東京在住やってわかり、
一緒に、居酒屋でご飯を食べるという状況に・・・
当時、神戸に住んでいたというふたり。
ふたりには、抱え続けてきた震災の記憶があった・・・
東遊園地の追悼のつどいに出るという美夏。
「やっぱり、東遊園地に行かはるんですよね?」
「行きませんよ」
「ほな、なんで神戸に来はったんですか?」
「なんでって・・・観光・・」
「はぁ~?」
今まで行けなくて、今年こそは行こうと思った、
そうしないと、行けないと思う、そういう美夏。
「辛いんやったら、行かへんかったらええやないっすか」
「それでも、行かなあかんのです」
震災の話から、、焼き芋を一本2000円で売ってた焼き芋屋の車に、
石を投げた、なんてことをことを話す美夏。
「みんなが困っている時に、
一人だけもうけようとしている奴は許せへんかった。」
勇治は父親が建築関係の「屋根や」をしていて、
修理代を10倍ぐらいふっかけてぼろ儲けしたことを話し、
「結局、頭が良いもんがうまくやっていく、別に悪うないですよ」
美夏が、むっとして、席を立つ・・・
結局、終電を逃して、
御影のおばあちゃん家に歩いていくという美夏に、
引っ張られるように、つきあうことになる勇治。
暗い神戸の街を、ふたりがただただ歩きながら話す、
そんなドラマやねんけど、二人の、あまりにナチュラルで、
あまりにリアルな会話に引き込まれます。
未來くんも、サトエリも、本当に震災の経験者であり、
脚本を書いた渡辺あやさん(「カーネーション」の脚本も)は、
学生時代を神戸で過ごした人やそうです。
当時中学生だった美夏は、幼なじみを亡くしてた。
何度も、その話をしかけては口ごもる。
勇治は、かつて住んでいた灘のあたりに来て、
当時小学生やった自分の悲しい記憶がよみがえる。
「あかんわ。このへん、ちょっと、きつい」
父親が値段をふっかけて修理した家がそこかしこにある、
同級生の家もある・・・父親のせいで孤立した思い出が・・
「確かに、材料はは無かったよ。
でも、相場の、2倍か3倍ぐらいにしてたらえんのに、
10倍なんてするから、神戸におれんようになって・・・
オレの友だち関係を台無しにしあがって~」
美夏は、亡くした同級生の思い出がよみがえり、
ひとりぼっちになった父親にちゃんと挨拶できなかった、
そのことを悔やんでるという。
「おっちゃん、泣いてぼろぼろになってるから、
会わんと東京に行ってしもてん」
御影のおばあちゃんの家に荷物を置いて、
再び、三宮を目指すふたり。
大きな公園の近くで、友だちの父親がいるという、
マンションの1室に電気が灯っているのを見つける。
「やっぱり、今夜は起きてはるんやなぁ。
会うてきたらええやん」
勇治に言われて、会いに行く美夏。
震災の時、子どもだったふたり。
それぞれの記憶、思い、いろんなものが混じり合って、
15年目のその日を、神戸で迎えようとするふたり。
広島に行くという勇治は、建設会社勤務。
「ぜったいに安全です」と言うために、
始発の新幹線で周辺住民への説明会に行くという。
「こっちは商売なんで、上手くだませたらそれでええのんで」
「じゃぁ、なんでここにおるん?」
神戸にいた自分やからわかること、震災に遭ったからわかること、
建築設計をしてるものとして考えたかった・・・
「・・・そう思っているんちゃうの?」
ところどころ、関西人らしいボケとツッコミがあったり、
ふふって笑えるような会話もあって、よけいリアルな二人やった。
「間に合わへん~」
まだ暗い早朝の道を走っていくふたり。
印象的なシーンです。
東遊園地の、ほんまの追悼のつどいをロケにつかってます。
ちょうど、ラストにくるように撮影されたんですね。
「一緒に行かへん?」
「・・・う~ん・・・やっぱり、やめとく、今年は。
また、来年」
信号のところで、握手しようとして、
勇治を抱きしめる美夏。
本当に翌年、そこへ行ってるんかな、勇治。
ふたりは、再会するんかな・・・
そんなことを思ってしまうラストでした。
泣けるところはあったけど、
でも、なんかさわやかな気持ちにもなった。
神戸の住人ではないし、被災した人の辛さや悲しさは、
想像できても、ちゃんとわかってないかも知れない私です。
でも、勇治や美夏の気持ちに、
寄り添えるような気はするんですよね。
演出は、「ちりとてちん」や「あまちゃん」を演出し、
当時、NHK大阪放送局にいた、井上剛さん。
夜の神戸で、終始暗い画面のドラマでいいのか、
不安だったとか言うてはりました。
放映後の反響が、これほどあるとは思わなかったそうです。
NHKが、映像を足して劇場版を制作というのも、
異例のことらしいです。
それだけ、見た人の心に残る作品でした。
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