ヤポネシアンレゲェ

新しい日常を追い求めるギター弾きホワイト教授のゆるゆる人生散歩日記。目指すは架空のリゾートミュージックアイランド。

鬼滅の刃無限列車へ乗って、村上龍MISSINGへ。

2020-11-10 19:26:13 | 映画・読書

誰かに称賛されたくて命を懸けているのではない

どうしても、そうせずには、いられなかっただけ

その瞬間に、選んだことが自分の魂の叫びだっただけ

自分ではない、誰かのために、、、


本当はテネットを観たかったが、時間が合わず、仕方無く子供と渋々観た映画「鬼滅の刃」

しかし、まぁ悪い映画ではなかった。というか、記録的な数の大人や子供が観ているという事実は、このヘタレだらけの世の中において良い傾向だとも思った。

で、後々になって、セリフがクサくてベタでダサいこのアニメがたまらなく愛おしく思えるようになってしまった。


決して死ぬことのない鬼に立ち向かう、いつかは滅びゆく人間の愛と希望の物語なんだけど、

少ないパイを奪い合う現代の資本主義社会禍の人々(自己本位、上昇志向)を「鬼」と見立てると、評価を気にして生きているのではなく愛(利他的)のために生きる「人」(ここでは煉獄杏寿郎)の様々なセリフがグッとくる。どんなに悪の道に誘われても、価値基準が違うとはっきりはねのけるのだ。

「鬼」は、菅でも竹中平蔵でも、保身の事しか頭に無い会社の上司でも、勉強しないと負け組になるぞと囁やく親でも何でも当てはまる。



煉獄が、鬼に永遠の命を得るように誘われた時、返したセリフがたまらない。
出典:鬼滅の刃,第8巻,第63話,吾峠呼世晴,集英社

「何度でも言おう。君と俺とでは価値基準が違う。俺は如何なる理由があろうと鬼にはならない!」



ところで、、、残酷なシーンが多かったり死を美化するのはけしからん、と、親の意見が上がっているのを耳にしていたが、

コレってどうなの?というのが竈門禰豆子の竹製サルグツワ


色紙と輪ゴムで、何故かとーちゃんの分まで作ってくれました


「サルグツワなんて、特殊な性癖の人だけがやることでしょう!」と、学校とかで言ったら、逆に他の親御さん達にドン引きされること間違いなし。



さてさて、ここからが本題。鬼滅の刃では、敵味方の区別なく死の直前に走馬灯が描かれる。


映画では、煉獄杏寿郎が幼少期の母との会話が出てくる

「生まれついて人よりも多くの才に恵まれた者はその力を世のため人のために使わねばなりません

天から賜りし力で人を傷つけること私腹を肥やすことは許されません

弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です

責任を持って果たさなければならない使命なのです 

決して忘れることなきように

母はもう長く生きられません

強く優しい子の母になれて幸せでした

あとは頼みます」


たまたま、この映画を観終えた後に、村上龍の小説を読んだのだが、これが凄かった!初の内面探求作品で、村上春樹とも少し違った味わいの作品でした。まさに走馬灯がいくつも回って目が回りそうというか、、、

長くなるので、またの機会に。










.









音楽が聴けなくなる日

2020-07-23 07:04:00 | 映画・読書
「二度目だから、本来なら執行猶予はつかないのだが、被告人には音楽の立派な才能があり、この才能を伸ばすため、特に今回は執行を猶予する」
大友 良英さんの師匠、高柳昌行氏の1960年の麻薬裁判。


Twitterより











最近の、特に日本だけの特殊なもんなんですね、「自粛」
人間なんて本来、間違えるし、ほっとけば悪いことしちゃうかもしれない生き物。
立派な才能を認め、伸ばそうとしてくれる昔の判決は素晴らしかった。

ところが、今時は妙にというか、異常にに厳しい。何故?



電気グルーヴへの過剰な自粛に反対する署名をソニーに出しに行って、あまりに酷い扱いを受けた為に出版したんじゃないかと思われる本、「音楽が聴けなくなる日」を町の図書館で借りました。
最後の宮台真司の所は難解だったけど、言わんとしていることは、良く分かってるつもり。







海外で活躍するなでしこたちの元祖 『草間彌生∞INFINITY』

2020-02-05 17:12:37 | 映画・読書
最近、娘Nちゃん(5歳)のお気に入りは、カネコアヤノやゾンビーチャングから、ビリーアイリッシュやこの超ヤバい「CHAI」へと変化している、、、



古くは少年ナイフから、昨年のフジロックて知ったMitskiまで、海外で活躍して日本に逆輸入されるのは、ほとんど女子だ。
この双子ツインVocalの強烈な個性を有したバンド「chai」も、デビュー前から海外で活躍していたらしい。
ワタシと同世代の輩(主に男)は、みなアウトと言うが、しかし、これが画像を消して音だけ聞くと実に良いのだ!いや、映像も面白いが、演奏力が抜群に良いと言いたいのだよ(汗)。そして、彼らは、日本が世界に発信してしまった「カワイイ」の定義を変えようってんだから、もう頼もしい限り。


最近、稲垣吾朗司会がナイスな司会役だった「100分de名著」のスペシャル版「100分deナショナリズム」https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/2020special/index.html
で知った漫画家ヤマザキマリも、若い頃から海外へ渡って相当苦労して、帰国してから売れっ子になった経歴の持ち主だった。番組の話方が素敵でね、オリンピア・キュクロスを即メルカリで購入。息子にも読ませちゃったりして。



そして、このヒト、、、
海外で活躍するなでしこのパイオニア

草間弥生

の、映画を観てきたんだけど、なかなかに苦労してきてるんだね。世界で一番人気のアーティストとなるまでには、長い長い道のりがあった。
日本で名前を聞くようになったのは、90年代になってからか。岡本太郎みたく日本のテレビにも出るようになり、インスタ等のS.N.S.で一気に有名になったらしく、今や海外の個展は長蛇の列だ。


1957年に単身渡米、
「ニューヨークに着き、初めてエンパイアステートビルに登った時、私の山のような芸術的な蓄えられた力でニューヨークをいつか制覇して、世界へ飛び出していく」
と深く誓ってから、苦悩と困難の連続。
女性で日本人というだけで誰も相手にしてくれない。それでもなんとかパトロンを見つけ個展開催にこぎつけるが、アンディーウォーホールなどに革新的なアイデアを次々にパクられ先を越されてしまう。
それでも死に物狂いで絵を描き、不公平な社会と戦い、自分で自分を売り込むパフォーマンスを仕掛けていく。

1950年代から70年代初頭にニューヨークで創作活動をしていた草間のアート界に及ぼした影響が見落とされているというところから、この映画は作られたそうである。



子供の頃、テレビで一番衝撃的だったのが、ドリフでも、ユリゲラーでも、UFOの写真でもなく、ましてや浅間山荘事件でもなく、、、「ストリーキング」が、どこどこで発生したと言うニュースだったなぁ、、、



















.





2019年ベストな映画、逃がした映画

2020-01-03 11:09:14 | 映画・読書
こういうのは、普通なら年を超す前にやるんだろうし、そもそもわざわざとりあげるほど封切りを観てはないけどね。
正月って、子供の相手する以外こちらにいるとやる事もなく、何もやる気もせず、暇なもんでして。

旧作は、相方が入っているアマゾンプライムビデオと、ツタヤのレンタルが安くなったタイミングで借りるようになった。地元本部に個人商店のビデオ屋があるけど、やはり在庫少ないから行かなくなっちゃったね(台風直前に借りるには便利だけどね)
嬉しかったのは、「断絶」のモンテヘルマン監督の「コックファイター」等のB級ものが借りて見られたこと。
あとは、「ザ・コミットメント」をはじめとするバンドものをたくさん見れたこと。「シング・ストリート 未来へのうた」なんてもろ80’sNEW WAVE全開でとても笑えたわ。
昔は映画と言えば監督名で見てたけど、今は「国境もの」とか「イカれ男もの」とか小さいテーマでくくって見ていくのが良いね。


映画館でも公開された「ローマ」、
見るのに半日かかる「サタンタンゴ」
の2つは、やはり劇場で観ておきたかった。
ビルエバンス、デビッドボウイ、ジョアンジルベルト、ブルーノート等のドキュメンタリーも見逃したが、家のショボいテレビの音と画面だと今一だろうな。
100インチのスクリーンとめっきり安くなった精度の良いプロジェクターの購入
を保留にして一年以上経つが、どんなかな〜
昨年末、那覇よりは近い沖縄市のプラザハウスに大人向きの映画館ができ、この手の映画がかかるようになったので嬉しい。やはりいつかは映画館のある街に住みたい。



さて、ロードショーに関しては、おそらく世間的に評価されているものしか観てないはず。

・ジョーカー(トッド・フィリップス)
「タクシードライバー」のビデオとサントラを何度も繰り返し見たり聞いたりしていた我が20代を彷彿させるというか、時代が再び暗くなってきた結果なのか、
しっくりくる。
日本が世界の中で一番輝いていた事など一度もないし、これからそうなる事など絶対にあり得ない。もちろん、どんな国が世界の中心になるべきでもない。
人間の理想が作り上げるユートピアが、過去に一度も無かったように、この先に現れるはずが無い。過去の人々が夢想してきたものは全てデストピアと分かってしまった21世紀に生きるとはどういうことか、、、

・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(クエンティン・タランティーノ) 
ヒッピーカルチャーの歴史を書き換えた云々よりも、実在したチャールズマンソン、シャロンテート、ロマンポランスキー達のいた時代の空気の中に居られるのが何とも嬉しかった。


・グリーンブック(ピーター・ファレリー)
主人が戻るまで、車の中でタバコ吸ったり本読んだりして待っている、おかかえ運転手というのに成りたいと、ある人が言っていたが(少し同感)、この映画の運転手はそうでは無い。

・運び屋(クリント・イーストウッド)
老後におかかえ運手の仕事が無理なら、運び屋にでもなるか。荷物運びの車の仕事も悪く無いな。好きな音楽聞いたり出来そうだし。
運び屋をテーマとして見るのも良いかもな、フローズンリバーとか面白いのがいっぱいありそう。
それにしても、ニール・ヤングとイーストウッドだけは長生きしてほしいね。

次点で案外曲が良かった「イエスタデイ」ってとこかな。

しかしながら、何だかんだいっても一番感動したのはテレビドラマの「いだてん」
傑作だね。
現在に繋がる日本の本当の歴史を垣間見る事ができた気がする。〇〇年に何とかの事変が起きました、とかじゃなくて、国民全体の細かな描写や心の動きの積重ねで歴史はできてるんじゃないかな。音楽は昨年子供も一緒にお世話になった大友さん。

こんな山の中にこもって世間から離れて暮らしていても、2020年が良い年になるとは到底思えない。けど、新年早々縁起の悪いこと言っていれば、ハズれて良い年になるかもと、僅かな希望ばかりは捨てないO型双子座生まれ。


ジョーカーをひいて、ラッキー

2019-11-02 06:24:00 | 映画・読書
一週間だけ那覇でやっている7時間18分の「サタンタンゴ」をどうやっていつ観に行くか、、、
やはり諦めとこうか、、、

泊まりがけじゃ、ことだな、
途中で腹へったらどうしよう、
普通の映画でも、コーヒー飲んだらもたないのに、
7時間オシッコもたないよな、
等々

散々悩んだあげく、

ちまたで評判が高い「ジョーカー」を観た。



これが、正解であった。



生涯、5本の指に入るお気に入り映画になった。
7時間18分の旅は、またいつかの機会で、もういいやって気分になった。


映画を観る前に、解説等は見ない主義だが、
これが正解であった。

観ていて、まるで「タクシードライバー」みたいだたとワクワクしたのは、前知識がなかったおかげ。
あと、お初にお目にかかる主演男優の狂気に圧倒された。マイフェイバリットアクター入りさせて、他の出演映画も是非観たいと思ったのは、単に無知なためだけであった。


そう言えば、エンドクレジットが流れる間、延々と連れの女に解説をたれている声がして、はた迷惑だったな。
前もってYoutubeやなんかでお勉強してきたのだろう。ラッパー風ファッションのジャージの小僧だったけど、果たして映画の感動はあったのかしら。


なんと言っても、主役ホアキンフェニックスがすごい。すごいと思ったら、やはりこの人、虚実ない交ぜの役者人生のような人物だった。

あの永遠のリバーフェニックスくんに、弟がいたとは知らなかった。それが、ホアキン。
妹二人も女優らしい。

トレーラーハウス住まいのピッピーでカルトな宗教にはまっていた親の元に生まれた子供たちが、皆俳優だってのが驚き。兄弟みな何らかのトラウマを抱えているんだと。
なんだか、ロッキーエリクソンやスカイサクソン、ヤホハ13たちの怨念のようなものが承け継げられているんじゃなかろうか。

2009年に、俳優引退宣言をして、下手なラッパーになり、次々と暴力事件を起こし、頭壊れてしまったという、壮大なバッドジョークを実生活で繰り広げて撮られた、ドキュメンタリー映画「容疑者ホアキンフェニックス」
は、業界から非難を浴びて不評だったらしいが、
ここから、ジョカーは始まっていた。

その後出る映画では、どれも狂気の役柄で素晴らしい演技と評価されて来たとさ。
「マスター」は、TSUTAYAで借りて観てた。でも、やっぱ映画館で観ないと駄目だ。

東京時代には、ぴあやシティーロードで、映画館の場所や日時をチェックして観に行ってたけど、
散歩や買い物の帰り道に、入り口のポスターを見て興味を引かれて観に行く、みたいな映画の見方が
正解ですな。






.

もう一度観たい!ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

2019-09-03 20:53:00 | 映画・読書
タラのワンハリ、初日に観ちゃった。

本部はもちろん、人口の多い名護市にも映画館はなく、遠く離れた沖縄中部か那覇市まで行かないとならない。
 
時間もガソリン代もかかるので、なるべく他の用事と併せて観るのである。


「今、クエンティン・タランティーノのワンスアポンアタイムインハリウッドやってんのか、
じゃ、丁度時間が合うからこの際観ておくか、、、」
てな感じ。

比較的、新しいもの好きなワタシにとって、もはや今更な監督ではあるが、
この夏、容姿も雰囲気も含めタラの映画から飛び出してきたかのようなバンド
「クルアンビン」
が、ジャンルを問わず音楽を聴くような多くのグッド・ミュージック・ファンに、新しい価値観を打ち出してその影響甚だしいので、本家の方も見直しても良いかという気分だった。



1969のロック特集が、NHKFM.で色々やっていて(これらも今さらな感じではあるが)
2019の今年って、ちょうど+50年なんだね。
自分的には、パンクが同世代で、ヒッピーカルチャーは一昔前の話と思ってたら、
今の人から見たら、ロックのあの時期の変遷なんて、自分にとっての戦前の事柄のようなものなんだな。

1969と言うと米英では、ウッドストックを代表する若者文化の頂点で、その直後に様々な暗い事件で流れが変わり、ラブ&ピースの幻滅、商業主義の音楽台頭等、泥沼の70年代へ向かうという大転換の年。




映画は、そんな1969年の、ある三日間にハリウッドで起きた架空のお話。

まず、音楽と映像の中の世界に居るだけで楽しい。当時の若者の音楽、ファッション、車、、、
ヒッピーや夏フェスに憧れをいだくことのないワタシにも、何だか不思議と心地好い。

実際に、当時のハリウッドにいる気分なんだな。これ、もしや子供がデズニーランドに居るだけで楽しいのと同じかしら~




後で知ったが、映画を観に行く前に「シャロン・テート殺害事件」を予習しておくと良いと。

チャールズマンソンのアルバムはアシッドフォークと言う触れこみで買って、愛聴してた。特に最初の一曲目。でも本性は2曲目以降現れるんだな。狂気の名盤。
オウムの麻原彰晃の「しょ~こう♪しょこうしょうこう♪」と比べたらあきません。

そして、マンソンが女優とポランスキーを殺したんだっけかな、位の知識はあった、が。






あれ、そういえばポランスキー監督の映画って2000年代に観てるな、、、





ボタンの掛け間違いは、映画を観る前から始まっていた






主役が、ブラピにデカプリオという個人的には余り好みでない二人。まあ、ジョニデが後で出てくるからいいや、とか思って。



「王子様みたいな、金持ちのポランスキーめ、世の中から相手にされずテロ行為を起こさざるを得ないジョニーディップに、早く殺されないかな~ワクワク」と観てたわけで。

これ、もう、

「2019年、もう一度見たい映画ナンバーワン」に輝きました!






映画の解説などでは、音楽素人ライターによって、才能がなかったように書かれてたりしてるが、大間違い。今聴いてもゾクゾク鳥肌が立つ。
タラは、女優として活躍する前に無残にも殺されたシャロンテートに光を当てた。
が、カルト、狂人としてだけ扱われて、2017年刑務所で亡くなったマンソンの音楽的才能にも、光を当てたい。









.


昭和の男たち

2019-02-16 15:42:00 | 映画・読書
今月、図書館で借りまくって読んでいるのが、音楽家の書いた本。

ま、音楽家と言っても、、、

元一世風靡セピアの春海四方
「前略、昭和のバカどもっ!!」


から始まり、

矢沢永吉
「アー・ユー・ハッピー」

山本精一
「ゆん」

ウルフルズ、トータス松本「部屋の隅っこには恋のかけら」

等々。



極めつきは、先日早くもリクエストで入荷された掟ポルシェの
「男の!ヤバすぎバイト列伝」


オンボロで小さな本部町図書館で、エプロンつけたおばちゃんから「あの、リクエストの、来てますよ」と、呼ばれた。

恥ずかしかったな。

最近、高橋源一郎さんの現代国語で紹介されておりまして、などと言い訳してもど壺にはまりそうなので、そ知らぬふりして受け取った。

沖縄は本を読む人が少ないらしく、特に本部などの田舎で図書館を利用する人は少ない。
リクエストをすれば予算が余ってるせいか必ず入荷するし、新入荷の本を借りるだけで、

「まぁ、さっき準備したばかりなのに、もう借りてくれるの?うれしい❗」
と、おばちゃんに喜ばれる。
なんだか、こちらが嬉しくなる。





さて、
「前略、昭和のバカどもっ!!」

春海四方は、「半分青い」「いだてん」などに出ている地味な役者であるが、80年代にその名の通りテレビの歌番組を一世風靡した「一世風靡セピア」のメンバーだった。

白Tシャツの上にダブダブのスーツ
、赤い靴下がトレードマーク。
いわゆる寅さんスタイルだが、メンバー7人みな強面で、踊りながら和風の歌を熱く歌う。

その頃、ワタシは映画三昧音楽三昧で、殆どテレビを見ることはなかったが、そのスーツ姿だけは記憶してる。

劇男・一世風靡のメンバーになる為の掟、
「本業がなくてはならない」
「早く結婚して家庭を持つべし」
「メンバー同士で酒を飲まない」
の元、春海四方は親戚から託された風呂なしアパートの管理人をやりながら、活動を続ける。
テレビの歌番組に頻繁に出るようになっても、銭湯の時間にギリギリ間に合うように帰っていたそうな。

バンド等のグループって、だいたい男女がいたら必ずデキてたり、面子が凄い仲良しだったりする。
そのバランスが崩れたとき、存続のために我慢するか、解散するか誰かをクビにするか。

それとは、逆にメンバー同士ハナから距離をおいて活動する、一風風靡みたいなグループもいるんだね。


どうでもよい話だが、一世風靡セピアには、柳葉敏郎、哀川翔がいて、その元のパフォーマンスグループ劇男一世風靡はメンバーが40人ほどいた。
さらにどうでもよい話だが、その前身には、劇男零心会というのがあって、風見しんご、野々村真、羽賀研二がいたそう。いいとも青年隊だ。
バブル期のグループって、ちよっとだよね~








.

感動と苦痛の、ボヘミアンラプソディー

2018-12-02 09:27:00 | 映画・読書
「これ、知ってるよ」
と、足と手を順に鳴らし始めた。
will you rock youだ
小二の息子でも知っている、クイーン。
今は、その映画が世間で大流行中だ。

そんなクイーンも、中学生の頃、当時は洋楽を聞くというまだまだ特殊な領域の、主にませた女子のものであった。

姉が「世界に捧ぐ」のレコードを持っていたので聞き始めたが、自分で買ったのは確か「バイシクルレース」のシングルが、最初で最後だった。
日本の、しかも女子のためのバンド、というレッテルに、気付くこともなく、
中坊の私は、白人の女性が全裸で競技用の自転車に股がっているジャケに、即やられてしまったのだ。

人生、初のジャケ買い。



ギターキッズだった私には、ブライアンメイのメロディアスで、線のくっきりしたソロはコピー練習にもってこいだった。

クイーン同様に大学出のギタリスト、トムショルツ率いるボストン。
この二つのバンドのギターの音色は、非常に未来を感じさせる無機質でロボット的な感じだった。これが最先端の音色で、電気を大量に使ってるんだろうと思ってた。




映画は、普通に面白かった。
というか、定番のロックバンド物語映画って、どんなの観ても感激しちゃう。

個性的な幼少期、家族との確執、無為な日々、メンバーとの出会い、華々しいデビュー、メンバーとの確執、和解、etc

定番であればあるほど、良い。

あとは音楽さえ良ければ、何も言うことなし。

が、その音楽の音響に難があった。

凄音上映という映画館で観たんだけど、音が苦痛だった。
最後のドントストップミーナウは、普通に聞ける音だったので、映画館のせいではなかった。
あの、ホール音というのか低音が一丸となって響いてくるのが、なんとも我慢ならなかった。

アクションやサスペンス系の商業映画の宣伝で、時々聞かされる嫌な低音が、ずっと続いている感じだった。

昔、東京の20,000ボルトなどのライブハウスでは、ドラムにホール系のリバーブかけて、ドシャーン、バシャーンと、不自然に重い音にするのが当たり前であった。
ある種の狂暴なロックバンドには有効であったが、自分は好きになれなかった。
どんな、ドラマーが叩いてもおなじ音。


楽曲の意外ぶりに驚いた「愛と言う名の欲望」以降はヒゲ面の違和感に興味を失って聴いてこなかった。
が、今となっては、ショーンコネリー並みにおヒゲが素敵と思えてしまう。
ま、映画見て泣いたのは久々だった、とカミングアウト。

















.

子供にも読ませたい「あん」

2018-05-19 23:31:00 | 映画・読書
沖縄は5月上旬に既に梅雨入りしたのに、全然雨が降らない。

屋外の仕事が出来るし、洗濯も外干し出来るし、あの白昼夢の雪のような白蟻の飛来もないし、夜はひんやり涼しく安眠、
自分にとっては良いこと尽くめ。

しかし、だ

身体が、だ、

連休明けから、すっとダルいのだ。


これは、もしかしたら、梅雨の時期に気圧の変化で毎年身体が重苦しくなることが、夏入り前の長年の習慣になっていて、
原因もなく、ダルダル病それだけが始まってしまったのではないか??


ウチのお姫様を三歳児検診に、連れていったが、待ち時間に絵本を読み聞かせるが、眠くて仕方がない。
おまけに、途中受診票を出し忘れて待っていて、
若いママさんに、「これ出さないと、名前呼ばれませんよ~」
と言われる始末。

ダルくて、鈍い頭もさらに濁って、今日なんかは、ケータイをなくして大慌て。大捜索の末、ウチのクローゼットの棚に見つかりましたが、、、



子供の頃、扁桃腺でよく熱を出して医者に行ったが、必ず帰りに寄るのが本屋。

病気になると読書、これ習慣。
枕元に、お水と本10冊位積み上げておけば、バッチし療養モードになれる。


自宅に読みたい本が無いので、車で町内の図書館へ何とかたどり着き、選ぶのもダルいので、適当に目についたものを借りる。



「君の膵臓を食べたい」
略してキミスイ
キモスイじゃありません。
こりゃ、装丁からしてお子様向きとは思ったが、酷い内容。売れる事だけを考えてモノを作るって流れには、対抗していかなくてはね。
軽薄な文の中に、時々辞書を引かないと解らない難しい言葉が出てくる所がキモスイ。いや、キモイ。




「あん」
ドリアン助川


この作者の
『メキシコ人はなぜハゲないし、死なないのか』 世界最低自殺率国メキシコの秘密を描いた冒険ファンタジー小説を読んで凄く楽しかった記憶があるが、
「あん」はとても地味で良い小説だった。
「誰にも生まれてきた意味がある」
そう、思える時もたまにあったけど、二人目が出来てからは、毎日が地獄だしな、、、
なんで、こんな生きづらく苦しいのに、生きていかなくてはいけないんだろう?「子供の笑顔の為」じゃ答えにならん。

ま、この本読んで少し気が楽になったというか、気力を失った時、是非読みたい一冊。

らい予防法が廃止され、優勢保護法が改正されたのが、1996年。
「なんだ、つい最近まで国から差別されて暮らしてきたのか!」と自分が知ったのも、思えば2112年沖縄へ移住してからだった。

差別と偏見に対抗するのは、正しい知識。
ドラえもん好きで、どら焼き好きの我が息子にも、甘いあんこのお話しだよと読ませてやりたい。










.




ヤポネシアとは?

2017-09-17 14:02:11 | 映画・読書
映画「海辺の生と死」である。

満島ひかり、が、主演である。

彼女は、沖縄出身なのであった、、、
知らなかった。


ワタシが、日本の南の島々に興味を持つきっかけが、島尾俊雄と島尾ミホ。
奄美大島は、なんくるないさの沖縄と違ってなんだか、谷川で冷やされたビールのように悲しかった。

フーテンの寅 さん最終回は、はからずも奄美のカケロマだった。

さて、映画はまだ未見である。
映画館が遠いのだ。

ヤポネシアンレゲエの最終回は、沖縄のこの本部町になるのか。
いやいや、まだまだ長生きしたいし、旅もしたい。

がまんがまん、

今は、息を殺して生きている時期。

毎晩9時に寝て、朝6時に起きる生活も悪くはないか。








.

三島由紀夫のSF小説

2017-06-20 03:30:00 | 映画・読書

現時点での老後の楽しみは、近代文学を夏目漱石、森鴎外辺りから作家ごとに読み破って行くことと、
スクリーンで観たことのない60年代~70年代の映画を、マイシアターで観賞すること。

読書は、読書会なども面白いが、独りでするもの。
が、映画のほうは、たまには人を招いて楽しんでみたい。
映画館へ行くのは、やっぱ独りがイイけどね。

さて、いつから老後にしようかと、考えていたところ、「美しい星」という映画が作られているのを知った。
原作が三島由紀夫らしい。
出演は、リリー・フランキー、中嶋朋子、橋本愛、、、他。



「この歳になるまで、知らなかった事」には興味を持つ。

ムカデは、あのシッポで刺すのかとずっと思ってたら、アゴで噛むんだって。
知らなかった❗


三島由紀夫がSF小説を書いているんだって。
知らなかった‼

というわけで、大工仕事が梅雨で進まない合間に、アジアン観光客やバカップルで溢れる、美浜アメリカンビレッジまで車飛ばすこと2時間。
 
美しい星は、
平凡な家族が突如として「宇宙人」に覚醒するはなし。
当たらない天気予報士リリー・フランキーのキメのポーズと、
橋本愛の浮き世離れした美しさに殺られたよ。
地球愛と家族愛にあふれた不思議な映画でした。



余談だけど、この日、
「これ何?」
と、アンティーク屋さんで、初めて見る傘の骨のようなモノに興味を持つ。


「かせくり」
といって、糸をまく道具。

ドライフラワーやエアープランツを飾るのに買っていく人が多いそう。
何か、お洒落に使い道ありそうで、あれこれ考えるが思い付かず。取り合えず邪魔にもならならないんで購入。


が、
子供のオモチャになってます。
今んところ。



  





.



今の気分で20冊

2017-01-09 10:46:50 | 映画・読書
今の気分で20冊、あげてみました(順不同)

1.神去なあなあ日常 三浦 しをん
2.中島敦全集2(ちくま文庫)
3.海辺の生と死 島尾 ミホ  
4.アポロンの島  小川 国夫

5.この世界の片隅に こうの 史代
6.砂の剣 比嘉 慂

7.ことばと国家 田中 克彦
8.忘れられた日本人 宮本 常一

9.新しい広場を作る 平田 オリザ
10.ひとの居場所をつくる 西村 佳哲
11.人が集まる「つなぎ場」のつくり方 ナカムラ クニオ

12.川は生きている 富山 和子
13.この国はどこで間違えたのか 沖縄と福島から見えた日本
14.沖縄島嶼の架橋化と社会変容 : 島嶼コミュニティの現代的変質 前畑 明美

15.はっぴぃさん 荒井 良二
16.ちいさいおうち バージニア・リー・バートン
17.ちびくろ・さんぼ ヘレン・バンナーマン

18.小屋から家へ 中村 好文
19.我輩は施主である 赤瀬川 原平

20.音楽を迎えにゆく湯浅 学


めっきり小説、を読まなくなった
2011年、までは物語しか読まなかったのに
夢、ばっか見ていた人間が急に現実に目が覚めたからか?
新作を押さえてるのは村上春樹と西村賢太くらいだ

本部の森のおうち、に引っ越してから特に本を読めなくなった
森に、囲まれ現実の生活が再び幻想のようにしか感じられなくなったせいか

読谷、に住んでる時は、嘉手納、恩納とそれぞれ特色のある3つの図書館で借りられたから良かった
特に読谷はリクエストが良く通りワタシに、とっては「時間のかかる無料Amazon」だったが
沖縄へ来てからは物を持たなくなった
買っても、すぐ売ってしまうか誰かにあげてしまうか

今の気分と言っても、この数年はほとんど似たような気分なので、ちょいと前に読んだものも入ってる


1.森のおうちの開墾作業で、キコリになりたい(ほとんどなってる?)と思った。森は得体の知れない素晴しいものがいっぱい。

2.「南洋」という言葉のあの時代にちょいと興味をひかれたのは、シンガソングライターの寺尾紗穂さんよりも前のことでした。

3.南洋の前に、ヤポネシア。特攻で死ぬことが出来なかった「死の棘」の作者・島尾敏夫が幻惑された奥様の美しい詩。

4.文学界のジムジャームッシュ。島尾敏夫に発見されたデビュー作。「ハシッシ・ギャング」なんていう買わずにはいられないタイトルの傑作もあるよ。

5.映画で感激して、原作を読み返したくて仕方ないが、大阪の倉庫にあり読めないでいる。ダブってでも買うしかないか、、、

6.まず、沖縄の基本として知らない人に薦めたい本。5もそうだが、事実をドキュメンタリーとしてでなくて質の良い「ものがたり」として伝えること。この辺り、自分にとって重要な感覚となってきた。

7.N.H.K.あまちゃん以前から、尊敬するミュージシャン大友良英さんのお薦めにより。

8.民俗学というと、柳田でもなく
「夜這いの民俗学 」の赤松啓介がすぐ思い浮かんでしまい、果てには赤線、ストリッブ、日本女地図とかにそれるとまずいので。

9.子供の教育のことを考えるに、答えのある人工の遊具などで遊ばせるより、自然の中という不規則で先が読めない環境で遊ばせ育てていくのは、さまざまな能力が研ぎ澄まされ良い気もするが、
田舎はすべてが車移動で、近所や他のコミュニティーとの係わりが希薄。
よっぽど頑張んないと家に隠った生活になってしまうのは、自分も同じ。大丈夫か、本部町暮し?

10.いい仕事をする!どんな仕事でも。
道路工事の交通整理のおじさんで、壊れたロボットじゃなく、たまにキチンとやってる人を見ると本当に気分が良い。

11.この辺りは、宿をやっていくうえで自分にどんなことが出来るかを探求するために読んでる。が、大したことができるとは思ってません。

12.森も生きてるし、道も生きてるし、お米も生きている❗

13.震災直後に福島原発から一番遠い日本に移住して来たわけでなく、一年後に迷いに迷って、わざわざ問題の山積みな沖縄本島に来たのであった。いや、来ちゃったのだ。

14.卒論のようなものだったけど、沖縄の多くの橋のかかった島の変容がわかった。

15.インスパイアーされたと言えば、カッコいいが


16.シンプルなタイトルと表紙だけでも魅力的。

17.谷川俊太郎の傑作「もこもこもこ」並みに意味がない作品。両者とも、心の汚れた大人には面白く感じられない。

18.家というか住まいのあり方について考えさせられた。昨今の小屋ブームの先駆け?

19.この人にしては、案外普通な書き方な気もするが、実際自分の住む箱となるとトマソンだらけじゃ困るわけで、、、

20.音楽ライターで、美しい文章を書けるのはこの人だけ。

ワタクシ的、本年度映画大賞!

2016-12-29 11:11:00 | 映画・読書
「ワタクシ的」とか、
「俺俺」とか、
「いいねいっぱい欲しい」とか

じゃ、ない!

悲しくてやりきれない、わけでもない、、、

大賞は
「この世界の片隅に」
です。


当時の瀬戸内の風景の美しさ、

自然の中の虫の動き、

すべてが美しい。



どん底の飢餓状態で、野草料理を楽しむ切なさやるせなさ、

ホンワカしてるが、実にテンポの良い進行、

当時、その日その場所で生きてた街の人から、その日の天気まですべて再現するという徹底したリアリズム、

そのための入念な取材、から地道に応援者を増やしていった映画の製作方法、

すべてが素晴しい。



インデペンデンスな活動をし始めた声優「のん」と、主人公すずと、コトリンゴの主題歌が、絶妙に融け合ってもうたまりません。

おまけに、アニメオタクも満足するような戦艦、武器、戦闘シーンがリアル。
その辺は、とうでも良いけど。






原作の漫画読んだのが7,8年前?だったろうか?
丁度忘れた頃に映画化されて良かった。作る側は、原作が出た年から制作に入ったようだけど。




優しい日常が、だんだん8月6日(原爆投下)に進んでいってしまう、、、
見ている方は、そのことが分かっているけど止められない。

ああ、どうしよう?

どうしようもできない。



























.

エイミーワインハウス(映画)を見に、500マイル

2016-09-22 17:27:00 | 映画・読書


ソバ屋とカツオの田舎町、北部の本部町から500マイル、はるばる意をけっして来ました大都会:那覇。

遥かに遠いと思ってたけど、名護の許田インターから高速乗ったら
あっという間に西原インターに着いちゃった。
実際には、50マイルもないかもね。

でも、しかし
ガソリン代、高速代、駐車場代を考えると三千里はあるとかと、、、

都会で暮らしていた頃だったら、たいした額じゃないと割り切れるが、今じゃたいそう心苦しい。

しかも、沖縄のメジャー映画はスターシアターズって企業が牛耳っていて、日曜は割引とか利かず1800円も払わんと見ることができない‼

収益が上がらないから、値上げするって短絡的な考えはある意味沖縄的。映画館から人がどんどん離れていく。
将来のビジョン、文化育成などありゃしねえ。


これはでも、沖縄の悲しい現実。
実際住み着いてみると、わかっちゃいたけど、この島の遅れてるところやてーげーなとこが良さでもあったが、鼻に付く。


沖縄は全国でも学力が劣っているからって、受験勉強に力入れております。
田舎だからって、負けては入られないと、
本部町なんかは、模擬試験の成績優秀者の名前を掲示板に貼って競争をあおってるらしい。


今時、歴史の年号丸暗記してテスト100点取っても何の役にも立たんというのに。
そんなもん携帯で検索すれば、直ぐ分かるし、
世界的に遅れた日本の大学の入学試験改革も、まじかに迫っていて
今の中学生から、社会に出ても何の役にもたたん丸暗記試験中心ではなくなり
グループワーク、コミニケーション能力、語学、等々グローバルな社会で実際に優位に立てる力が問われる時代になるというのに、、、





イギリスの閉塞感と、沖縄のあきらめに近い閉塞感は非常に似ている気がしますね。
片親率の高さとか、自殺率の高さとか、精神を病んでる人の多さとか

でも、
ドラッグとオトコと音楽の間を彷徨い、若くしてこの世を去ったエミーワインハウス
こんな時代遅れな大物、沖縄にだっていません
大御所歌手、トニーベネットもべた褒め
18歳にして既に、熟成されきった歌をものにしてます。

親子関係の落ち度の反発で、
音楽にのめり込み
男にのめり込み
酒やドラッグにのめり込み
何とか平常心を取り戻し、素晴しい作品を作り上げ
グラミーショウまで受賞して、ハリウッドセレブにまでなっても
また溺れて行く


この繰り返しの人生
享年27歳

どう考えても悪い影響しか与えない旦那や、金目当ての父親を信奉してやまないエイミー
そんな彼女が最後には、可愛らしくていとおしく感じますよ。





恐怖映画「セッション」

2015-07-17 08:02:38 | 映画・読書
今更言うのも、おこがましいですが、
何を隠そう、
わたくしバブル世代ど真ん中。
あわあわにまみれて、左団扇ならぬ左扇子をお立ち台で振っていた、ワケではありませんが、、、

ただバカ学生のあの頃、右肩上がりの日本で
「なんとなくがんばらなくても生きていけそう」
な気はしていました。

将来の不安はあっても、現実には当面は何とかなりそう。
そういう意味では、何も考えずジュリアナでアホみたく踊ってるボデコンギャルと同レベルで日々の泡を過ごした80年代。
志の低さでいえば、自分を高める為に高収入のオトコを狙ってたジュリアナ娘のほうがよっぽど努力家だったのかもしれません。

しかし、
東京で長く音楽活動を続けられたのも、ある意味
「志の低さ」
のおかげであったかも。

80年代当時、ごまんといる「プロ志向」って名乗る人のカッコ悪さってなかったし、「音楽と競争」ってのは、どうしてもイコールには考えられませんでした。
こんなアングラなバンドをやってる私にも、胡散臭い奴等がニコニコ寄って来たりした時代。

もちろん、まことにもって志も高く頭も良い人のほんの一握りは、世に出て偉大になったりしてますがね。

血のにじむような努力をし、食って行く為にがむしゃらに音楽にのめり込んでいくわけでもなく、ただなんとなく音を出したくて音楽をやってました。
ほとんど習慣というか、生活の一部というか。
そういう意味では、アフリカや南アジアなんかの原住民の音楽、原始人間ギャートルズ時代の音楽と変わらぬ「純粋さ」を持って音を奏でることが出来ていたような気がします。




先日、映画「セッション」を見ました。

内地資本の馬鹿でかいイオンモールで。

偉大なミュージシャンになるために、壮絶なスパルタレッスンに挑むジャズドラマーの話。

これが、もしジャズというものであるのなら、私は絶対にやりたくないジャンルと思いました。
何をするにも「努力」ってのはけっして否定しないけどね。
でも「機械のように正確に」「誰よりもより早く細かく」と、鬼教師のもとひたすら運動神経を磨くのは頂点目指すスポーツ選手目指すのと同じじゃない?
一番目指してどうすんの、、、

ま、歴史的にも、例えばあんなに複雑で高度になった音楽が、ビートルズの出現で表舞台から消えていくわけで。音楽の力ってのは、時代によって変わっていくのがオリンピック競技なんかとは違うところ。

人の数だけ、音楽はあり、そういう意味で世の中に音痴の人はいない。
音楽に優劣は存在しない。
そう思えるから、好きなんだな。


「バナナメイツの歌やリズムを、ズレている、
と感じる者は、自分の感覚が単にハマり過ぎているのだと知らねばならない。
基調とは、自分自身の身体感覚の中に生き続けるものだ。」