ヤポネシアンレゲェ

新しい日常を追い求めるギター弾きホワイト教授のゆるゆる人生散歩日記。目指すは架空のリゾートミュージックアイランド。

梅雨が来ると失われてゆくもの

2013-05-31 15:58:01 | 読谷
気圧のせいで、身体がだるく元気が失われてはいくんですが、被害はそればかりじゃありません。

車後部に置きっぱなしのホワイトガットギターが、停車したとたんいきなり「びーーーっん!」とデカイ音を奏でた。見たら、ブリッジが本体から剥がれてしまってた。
車におきっぱもなんですが、この梅雨の急激な湿度上昇に原因ありのようです。

沖縄の梅雨で一番の恐怖、それはカビです。あっと言う間に増殖して,
うかうかしていると大事なものが駄目になってしまいます。
L.L.beanのキャンパス地のバック、ちょっと使っていなかったら、とっての部分がふさふさのカビの芝生。
ソフトケースに入れっぱなしのエレキ、乾燥剤は入れてあったんだけど、指板のフレットまわりに青いカビ。

次に水害。
玄関の天井から、ポタポタと水が漏れてきた~バケツと雑巾で耐えてます。

昨年、畳が一面緑のジュータンに変わってしまったり、黒い皮のベルトが緑のベルトに変化してしまった。その沖縄梅雨マジックの教訓を生かし、今年こそ万全を期していたはずが、
今年は、まるで使ってない、我が脳みそにもカビが、、、

「この恨み、晴らさでおくべきか」ではない、恨の碑

2013-05-19 08:32:58 | 読谷
「連休中、どこへも連れてってもらえなくて、ヒビビ、心萎えちゃった。」
と、生まれつきの泣き顔ですが、その表情はいつもより悲しげ。

観光客から、地元民大移動の混雑を避けて5月連休は遠出せず、主に読谷村内を散歩。徒歩3分の丘の上に、日本の侵略戦争末期、沖縄に強制連行され、虐殺された元朝鮮人軍夫を刻んだ「恨(ハン)之碑」というのがあります。

「恨 (ハン) 」とは朝鮮語で、発散できず、内にこもってしこりをなす情緒の状態をさす語。単なる恨み辛みではなく、怒りや悲哀など様々な複雑な感情をあらわします。
ブラジルには「サウダージ」、ロシアには「トスカ」という素敵な言葉があり、日本にも「暗愁」という言葉がありました。
しかし平安時代から使われてきた「暗愁」の文字は、いつの間にか消えてしまいました。戦後合理化の波の中で、日本人は悲しみという人間的で大切な感情の存在を否定し、明るさ・快適さだけに価値をおいて走り続けることを強いられたためです。ちなみに、永井荷風が小説で使ったのが最後ということです。

「マイナス志向はこころと体によくない、泣くこと悲しむこと、嘆くことは、後ろ向きでよくない」
いやいや、違います。
嘆き悲しむことで、生きるエネルギーがふつふつと湧き上がってくるんです。

とはいえワタクシ、連休が終わってからちょっと塞ぎ込みがち。

心萎える状態というのは病気ではなく、この世には必ず存在するもので、いかなる努力をしてもなくすことは出来ないもの。さらにこの感覚は喜怒哀楽というように、人間が生きていく上で大変に重要な意味を持つ感情で、治す必要のないもの。むしろその存在を受け入れ、ともに生きるという決意をすることによって、生きる力が与えられるもの。

とはいえワタクシ、このじとじとの沖縄の梅雨、軽くは乗り越えられる気がしません。
こんな時、歌があってよかったと思います。

Phew / Novo Tono - 夢の半周


山本精一氏の羅針盤にはピンとこなかったワタシですが、ソロのカバー集やPhewとのニッポンフォーク的な作品群には、かなり共鳴してます。




娯楽の殿堂遺跡

2013-05-09 20:18:41 | 映画・読書
首里フジコさんの名作アルバム「Lua e Sol」のジャケ写真で知って以来、長らく憧れていた「首里劇場」へ、ついに行ってきました!
10年前のおしゃれなジャケ撮影時からはかなり年月が経って、壁を塗りなおしてあげたい気もしましたが、高級住宅街のど真ん中に裏の首里城であるかのようにひっそりと存在し続けていました。昭和25年、当時の首里市にはじめて建築された劇場。うちな~芝居(沖縄芝居)や時代劇に始まり邦画から洋画まで映画も上映されていたそうです。


前向きで、土から生まれたようなものが目立つようにも感じる沖縄ですが、ワタシなんかは根無し草のような文化・郷愁を誘う後ろ向きなものを目にすると、何だかホッとしてしまいます。


3本立ての「多呂プロ映画祭」のテーマは、<失われたものへの愛惜>
永井荷風の原作権が切れるに乗じて製作された現代風「墨東綺譚」から、かの三上寛さん主演の映画まで、大満足でありました。



ところで驚いたのは、劇場の造り。
沖縄の銭湯も入り口の扉を開けると、脱衣所とフロが仕切りもなにもなく直接つながっていますが、ここも入ると直接(廊下はあるが扉はなし)スクリーンの客席までつながってます。

そして、寝転がって名画を鑑賞できるベンチシート。

あと、衝撃的なのがトイレ。沖縄伝統の豚便所の公衆版か?薄暗いレッドライトで照らされた館内一の怪しいスポット。
小の方は、東京の下北沢などの駅前市場跡に残るタイプのコンクリ型。
そして、大の方は、、、
グレーのコンクリートが全体にヌメヌメした茶色に変色した壁の個室の下面に、奈落の底まで落ちるんじゃないかと思われる溝があるのみ!
とにかく恐ろしくて近づけませんでした。100万円くれると言っても、またげませんわ。

魔の黄金ウイークの過ごし方

2013-05-02 20:58:27 | ヒビビ君
あひゃー!コールデンウイーク
保育園、お休み~
魔の2歳児(反抗期)と二人きりの、魔のゴールデンウイーク、、、

さて、先日は近所の比謝川の鯉のぼりに連れて行ったけど、あとは何して過ごそうか?


近所でモズク採りもやったけど、まったくもって海の水を嫌がって入ろうとしない、、、大変だったな~
賑やかな、那覇のハーリー祭りにでも泊りがけで行ってみようか。
でも、観光客から地元民まで民族大移動の最盛期に遠出は渋滞するから避けたいところ。あちこち出かけることより、何か面白い遊びを二人で編み出すことでも考えよう。
それがいい。
いま彼の中の流行の遊びは、お弁当遊び。いろんな箱に、自分のおもちゃやその辺のがらくたや時には貴重な金品を詰め込んでます。




反抗期真っ盛りのヒビビ君、何でも反対したがります。シャツも帽子も裏っ返し、靴も左右反対、ズボンも前後ろ反対!この間なんか、靴の左右じゃなくて、前後を反対に無理やり履こうとして出来ず怒っていました。


さすが、カウンターカルチャーで育ったトーチャンの息子ですな。

そういえば、ワタシも、世のなかのひとが同じ方向を見てるときって、どうも胸くそが悪く、反対のことばかり考えてしまいます。
3.11の時なんかは
「かわいそうだな、がんばれよ」
っていう、お茶の間ヒューマニズムが日本中に流れてるのが大嫌いでした。もっとも、無責任な感じがしたし、、、
あと、「こんな時に音楽なんて、なにごとだ!」みたいな自粛ムード、
特に「不謹慎」って言葉が嫌で嫌でしょうがなかった。

結局、東北へボランティアで行くことも無く、義援金を送ることもせず、何をしたかというと、外へ働きかけることではなく個人の変革でありました。
そう、自分たちの暮らし方を180度変えることにしました。地方の犠牲によって成り立っているなまぬるい東京生活を脱出し、長い旅に出ました。北は北海道から、南は西表島まで。そして、沖縄本島に漂着、未だ、旅の途上です。