ヤポネシアンレゲェ

新しい日常を追い求めるギター弾きホワイト教授のゆるゆる人生散歩日記。目指すは架空のリゾートミュージックアイランド。

実験音楽とは何か?

2010-02-28 11:41:01 | 音楽
寒さも緩んできたので、お外へお散歩と、久々にお出かけ。しかし、今日に限って気温が上がらず寒い寒い。

一応、目的地が四谷のジャズ喫茶いーぐる。
「いーぐる連続講演」

  {実験音楽とジャズ}
  フィリップ・ロベール著『エクスペリメンタル・ミュージック』 (NTT出版)は、
  20世紀初頭からゼロ年代に至る、様々な「実験的な音楽」を紹介した本ですが、
  ジャズ・ミュージシャンやジャ ズを経験した音楽家も多く取り上げられています。
  同書で紹介されている音楽を中心に聴きながら、ジャズと実験音楽の関係を考えます。

というイベントです。ちょっと前には、62~64年のビートルズ40曲固め聴き大会もあったとか。

このフランス人の書いた『エクスペリメンタル・ミュージック 実験音楽ディスクガイド』調べてみると「電子音楽、ミュージック・コンクレート、ジョン・ケージ、フリー・ジャズ、ミニマル・ミュージック、ニュー・ウェイヴ、インダストリアル、ノイズ、実験的テクノ」まである種の音楽マニアには堪らないジャンルのディスクを、広範に取りあげています。読んでると無性にCDが買いたくなるって内容だそうです。しかも取り上げてるCDはどれも入手しやすいものばかりらしい。

本で登場する音楽家のなかで、興味のある人というか知ってる名前を挙げると

ムーンドッグ

ヤニス・クセナキス

カールハインツ・シュトックハウゼン

ウィリアム・S・バロウズ

テリー・ライリー

トニー・コンラッド

ラモンテ・ヤング

アルバート・アイラー

ジョン・ケイル

AMM

ヨーコ・オノ&ジョン・レノン

アネット・ピーコック

デレク・ベイリー

ヒュー・ホッパー

ジョン・オズワルド

ジョン・ケージ

フレッド・フリス

アーサー・ラッセル

ディス・ヒート

スロッビング・グリッスル

DNA

グレン・ブランカ

ナース・ウィズ・ウーンド

パブリック・イメージ・リミテッド

ダモ鈴木

灰野敬二

ジム・オルーク

メルツバウ

SachikoM

大友良英

ジョン・ゾーン

全部の3割程度かぁ~、即購入するには微妙な2500円。こりゃ、図書館にリクエストするか、アマゾンで安く売られるのを待つか。

まあ、どんなもんかとお出かけしたわけです。ふだん家で真剣に音楽聞かないし、、、

四谷へ到着、上へあがると並木はまだ冬のまま、角の昔ながらの中華料理屋さんがなくなってました。残念。
外国人が携帯でいーぐるの入り口の写真を撮り終わるのを待ってから入店。意外と煙臭くなくて安心。今時、ジャズ喫茶に来る人も禁煙せざるを得ないのでしょうか。
ジョンケージやマイケルナイマンの著書における実験音楽の簡単な説明の後、聞かされたのは(いや聞かせてもらった)

ムーンドック、3曲
 これは即CD欲しくなった。リズムも楽しいし可愛い曲。この調子だと、今日はCD一杯 買う羽目になるか、、、

コンロン・ナンカロウ
 自動ピアノならでわの曲。普通のピアノだったら指が100本位必要?予想できる展開、 なんとなく自分でも作れそう(でもやらない)。CDは買わない。

ラモンテ・ヤング
 数分だけの試聴でしたが、ずっと聞いていても延々と同じことをやってるそうで、ここで 聞かなきゃ家じゃ絶対聞かないかな~

オーネット・コールマン「フリージャズ」

ジョン・ケージ「ピアノとオーケストラのためのコンサート」
 これはフル演奏を聴かされました。ザ・我慢大会?真っ暗な密室に監禁され聞かされたら さぞ面白いだろうに。
 どう頭を空にしても、昔の映画、勅使河原宏などの映像が出てきてします。でも、あれは 武満徹か、、、

テリー・ライリー「Shri Camel」
 インドっぽいのと枠が比較的はっきりしてるので聞きやすかったです。図書館にCDあっ たら 借りてみよう~

ポーリーン・オリヴェロス「The Roots of the Moment」
アコーディオンをそんなに弾いたら、胸の筋肉いっぱいついちゃいそう、、、

MEV「Spacecraft」
電子音楽生演奏というので、ピコピコピューンピューンかと思いきや、ノイジーなものでした。

POLWECHSEL
こりゃ、今時の人の音っぽい。ライブを見てみたい。


ということで、CDは買うとしたら1枚かな~
やはりここは、音楽を頭で聞く人たちの集まりのようで、強制的質疑応答があったり、会が終わってからも熱心に関係者の方々が話をしてるのが印象的でありました。


帰りは、新宿方面へ徒歩で向かい、途中の山小屋風カフェ「ARMWOOD COTTAGE」でワインを一杯。このビルの間に挟まれての一軒家の木造カフェ、前面がフルオープンにできる構造で夏はさらに心地良さそう。人が歩くと?建物がぐらぐら揺れるのもおもしろい。BGMはタイのカフェだと思えば我慢できる?うるさいノリノり音楽。

ピットイン近くの「ドミニクサブロン」でバゲットとエスカルゴ・ピスターシュ(294円は高かったな)を購入して大久保駅から帰宅。お疲れさん。







あなたは何派?ブリティッシュとアメリカン

2010-02-24 17:19:31 | 音楽
1966年のイギリスを舞台に、24時間ロックを流し続ける海賊ラジオ局と、ロックを規制しようとする政府の攻防を描いたお話「パイレーツ・ロック」を早稲田で見るが、今一だったので、お家で録り貯めてるNHKの番組『MASTER TAPE ~荒井由実「ひこうき雲」の秘密を探る~』を見てちょっと満足しました。

現存するユーミン『ひこうき雲』のマスターテープを、ユーミンと参加ミュージシャンたち、レコーディングを仕切ったディレクターの有賀さん、エンジニアの吉沢さんらが一緒に聴きながら、思い出を語り、サウンドを解析するという番組です。

ユーミンのあの歌い方は、この時のレコーディングディレクターの趣味により、ノンビブラート唱法を身につけさせられたんですね。今は女王様の貫禄でありますが、まだデビュー当時はもちろん新人、いろんな周りの影響も大きかったんでしょう。
この番組、出演は

 松任谷由実
 松任谷正隆
 細野晴臣
 林立夫
 駒沢裕城
 有賀恒夫
 吉沢典夫
 村井邦彦
 雪村いづみ
 シー・ユー・チェン

さて、誰か足りない。さあ誰でしょう。

こんなの馬鹿らしくも寂し過ぎせんか?
ドラッグをやって音楽制作したことが当たり前のビートルズの番組特集はNHKでいっぱい流しているのにね。もしドラッグやったミュージシャンの作品が全部リリースされないとしたら、ロックやジャズの半分近くは消えちゃうでしょうにね。

当時まだ日本にはあまり入って来なかったヤードバーズやゼップ等ブリティッシュロックのレコードを入手して聞きまくっていたユーミンと、ブリティッシュロックが許せなかったと言う細野晴臣をはじめとするアメリカンロック派のキャラメル・ママ=ティン・パン・アレイ。この融合がニューミュージックだったんですね。日本のサウンド志向の音楽の始まり。
(ふむふむ、この流れで高田渡さんなどは沈黙してアル中になってゆくのだ)

16チャンのマスターテープを当時のメンツで聞き返すんですが、コーラスだけとかベースだけ聞こうと言われ、「それだけは止めて」と恥ずかしがるところは素人と変わんなくって微笑ましいです。

駒沢さんが、「もういちどやり直したいんだ」と言って、スチール・ギターをその場で昔の録音にあわせて弾き直すのもかわいい。

その場で、皆が一緒に昔の曲を演奏するんでありますが、歳とって見えるバックの男性陣がほぼ同じ演奏が出来ちゃうのと比べ、若作りのユーミンの声が当時のようには全然出ないのがとっても痛い感じでした。



ニュープロジェクトでビー

2010-02-14 04:30:13 | 音楽
とうとう、新しいプロジェクトで全曲ビートルズカバーというライブをやる事になった。
世間と遅れる事6ヶ月余り、自分の中の久々のビーブーム(ベビーブームじゃないヨ)
を吐き出したくなったんです。

ビートルズカバーというと、単なるオヤジロックバンドもしくは売れない音楽業界での企画CDモノのようですが、そのどちらとも遠い処の音になるのは間違いないでしょう。
自分で言うのもなんですが
「ああ勘違い、ビートルズカバー編」
と先に言っときましょう。
どうあがいても、ビートルズは好きだけど過去のものだし、好きな音楽はもっと他にいっぱいあるわけだし、そもそも完コピする気はまるでない。かと言って、トッドラングレンみたいなことをしたい訳でもない・

今の自分の音楽の情念を曲にひたすら注入することになるのは間違いないでしょう。

だだ、これを機会にやる曲を何度も聴いてみる事にした。選曲は成り行きで思い入れの強くない曲ばかりになったので、集中して聞くのもなかなか新鮮で楽しい。
サージェントペパーズの1曲目など、初めて聞いた子供の頃の不思議な感じ(ライブなんだかハードなロックなんだか訳分からん感覚)とかなり違い、もう不自然な曲にしか聞こえません。アレンジも急に引っ込んだり出てきたりするドラムとか、自作自演の宅録作品のようで、どう聞いても変。いまさらながら愛着がわきそうです。

さて、擬似ステレオレコードこそがビートルズだと思春期に身体の先まですり込まれていて、モノ盤にピンとこない私のやる曲は、

特別公開
1、Stg. Pepper's Lonely Hearts Club Band
2、With a Little Help from my Friends
3、Come Together
4、Octopus's Garden
5、Stg. Pepper's Lonely Hearts Club Band(reprise)
6、A Day In the Life

俺のジャズマス

2010-02-10 20:39:28 | 音楽
ジャズマスターを久々にスタジオに持って行った。

いつもは、カマボコ&ホッケーネックと言われる太くて弾きづらい「フェンダー・カスタム」を使用しているんですがね。

楽器屋で、「ギター何持ってるの?」
と聞かれて
「フェンダーのカスタムっていうヤツです、、、」
と答えると
「だから、カスタムの何持ってんだ?!」ってことになるくらい知名度低く、珍しくも人気のないシロモノです。

65年にFENDERの12STギターとして初めて世に出されたELECTRIC12が売れなくて、同ボディー/ネックをコンバートし1969年に6弦ギターとして発表されたモデルです。アームなどはムスタングと同じ。ピックアップはハムのようですが(詳しいことは分からん)シングルコイルと中間的な出音です。

つい最近、マーブルシープとの対バンのライブの時、カナダ人のロックお宅青年がやたら興味を持って写真を撮ってくるなと思ったら、私の姿ではなく、この珍しいギターをバシバシやってました。おいおい。

カスタムは、その長い見かけ(ギターケースからヘッドが飛び出ちゃう)とは裏腹に、スケールはムスタングと同じ短さ。小柄な日本人にとって向いているのかもしれませんが、ネックの長さや太さ幅が小さくなればなるほど繊細な弾き方が難しくなるものです。
気が緩むと、ついついぞんざいな弾き方となりがちな今日この頃。

「実は私、こう見えてもコルトレーンのように繊細にもクールで情熱的ギターを弾けることをお教えしましょう~」

と、自分の持ってるギターの中で一番まともなネック(ロングスケール)のジャズマスターを持って行ったのだが、コイツひじょーに重い。鉄の固まりが入ってるんじゃないかと思うくらい。立って演奏していると、身体でリズムをとることを忘れて、もうじっとしてひたすら弾くしかない。
その割に音色がすんごく軽い。
そして音がくっきり。

重いのに軽い。
なんだか損してるみたいな気がする。

しかし!私のは他のジャズマスターとは一線を画すサウンドなのだ。
「コイツを操る事ができるのは私だけ」という気がしてなりません。微妙な差異によってギターは出音が大きく変わるもんです。

このギターは、昔良く行った大久保のスタジオMという所のコネで中古で購入したもの。当時は完全にルックスに一目ぼれで、音なんか気にしてませんでした。
今はひたすら重さが気になりますが、、、



ザ・サウンド研究.2

2010-02-01 08:06:23 | 映画・読書
ただ今読んでいるのは、駅前図書館で借りた600ページ余りもある広辞苑のような本「ザ・ビートル・ズサウンド最後の真実」

こちらビートルズはテレビジョンとは違って、いろんな本が出ているし、そのサウンドはあらゆる人に研究され尽くしてますね。
しかし、リボルバーからエンジニアに昇格したこの著者ジェフ・エメリック、制作現場にいた人の言う事なので真実味があります。
バリバリ階級社会のEMIで、レコーディングの方法をビートルズと共に改革したことはかなり評価されるべきことでしょう。会社のしがらみの中、我がままなメンバーの注文に必死で答えつつサージェントペパーを作り上げたことは、もっと評価されてもよい事だと思います。

あれ?エメリックが作った、、、
あれだけ有名になると、マネージャーのブライアンエスプタイン、プロデューサーのジョージマーチン、このエメリック、皆それぞれ自分が「ザビートルズ」の成功に貢献したんだと言いたがります。

NHKドキュメントでやってた「サイドマン ~ビートルズに愛された男~」のクラウス・フォアマンの見方と違い、ポールは実にナイスガイで、ジョンは気分屋、リンゴやジョージはいつもすねていて駄目な奴って感じです。
クラウスに言わせると、ジョージは本当にいい奴なんですがね。
エメリックはレコーディングというお仕事関係の目線で4人を見ているので、サウンドのまとめ役のポールはやっぱりいい奴なんでしょう。でも、それぞれその時々のビートルの行動によってあれこれ好き嫌いが変わるのがリアルで面白いところです。
そう、その頃のエンジニアって完全に駒の一つなので、当然メンバーに文句を言えないうえ、曲の仕上がりの良い悪いも言えないんですね。その割に、当時はまだ分業が守られていて、演奏した直後はミュージシャンも音を聞きなおすものの、その後のミックスは完全にエンジニア任せ。モノは入念にやってますが、ステレオミックスってのは、かなりやっつけ仕事(もしくは子供のお遊び的な作業)で出来上がっちゃってます。
なるほどそれで、モノのボックスセットがそんなに話題になったのかと今更知りました。それが世界標準なのですね。
ビートルズは英米盤のみならず、各国で微妙に違うレコードが出ているようなのできっとその影響も微妙に違うことでしょうね。だってあなた、アビーロードの最後のメドレーの曲順が違うって考えられないけど、実際にはあるんですよ。それ聞いて育ったビー・チルドレンと会ってみたいですね(確か南米のどっかの国の盤です)。わたしはステレオ育ち。ビーといえば、妙に左右にくっきり分かれた音が身に沁みちゃってますがね。

ところで告白。
私は、ビートルズは「ラバーソウル」までなんです。
それは多分、ライブバンドとジョンを好きという事と、音の質感がサラッとしているためかと思われます。

「リボルバー」以降は妙に重い感じがして、ベースの音だけ聞くと色艶があって素晴らしいんですが、、、
あとジョージの出番が少なくなったせいか、ギターが今一。確かにポールのギターは流暢で(タックスマンなど)曲にピッタリはまっているんですが、、、

なので、本を読んで「よく聞くと○×の音が聞こえる」などという話は今一ピンとこないのです。サージェントペパーズを最高傑作と思ってない人にはあまり興味が持てない本かも。
半分300ページまでいったところで「読むの止めようかどうしようか」、図書館から返却催促も来ちゃったし。