学年末試験がはじまった。昨日に続き欠席の子はいない。
インフルエンザやウイルス性の腹痛もおさまってよかった。
このまま最終日まで欠席なしだと追試の心配がなくありがたいのだが。
いま指揮のレッスンで、シューマンのピアノ曲集「こどもの情景」を教えていただいている。
「おねだり」「みちたりた幸福」という曲では、「なんか、おねだり感が見えないなあ」と指摘される。
「なんか、ほしいものないですか? そういうのを思い浮かべて、ねえぇ、買ってよぉお … ってねちっこく振らなきゃ」
「はい、そうですね。ほしいものですか。う~ん、一番ほしいのは … 、新入部員です。ものなら … ティンパニですかね」
などと答えながら、本気でほしいものがないか一瞬考えたけど、たいしたものが思いつかず、いつのまにか自分は昨今の若者と同じく草食系になってしまったのだろうか。
車? う~ん、こんどは1ランク上のしようかなと思うことはあるけど。
服や貴金属? イメージわかないなあ。ちょっといいスーツはほしい。
おいしいもの? 今はみかみさんの辛味噌ラーメンがあれば充分です。
ハリのある肌、豊かな髪、すぐに筋肉痛が出る筋肉。
こっちは切実だ。
そうか、外部のものよりも、自分そのものについての欲望。
本を読みたい、映画を観たい、上手に指揮したい、上手に教えたいもたぶん同じ方向にあって、これは自分自身に対して前向きな姿勢とも言えるはずだから、今日も映画を観に行って、二部の台本にいかすシーンがあったら吸収してこよう。