「ロマンティックコメディー」をwikiってみたら、こんなふうに書いてあった。
~ 男と女が出会うが、初対面での印象が悪くお互いに好意を持てず、その後も会うたびに口喧嘩になる。ところが、行動を共にし協力し合わなければならない事態に遭遇し、お互いのことをよく知るようになり惹かれ合っていく。そして、お互いの気持ちをなかなか伝えられずにいるが、最後には結ばれてハッピーエンド。 ~
この映画って、まんまじゃん。
映画だけじゃなくいろんなドラマやマンガを思い出してみても、このパターンは実に多いものだ。
男女それぞれのキャラクター、二人の置かれた環境、二人のラブ成立を邪魔する要件、それらにどんな新しさを盛り込むかで、オリジナルな作品になるかどうか決まるのだろう。
「世界にひとつのプレイブック」は、主役の男女二人が、ともに心を病んでいるという大技を設定した。
妻の浮気が原因で精神のバランスを崩し、治療を続けるパット。
最愛の夫を亡くして以来精神のバランスが崩れてしまったティファニー。
どちらの役者さんも、その壊れぐあいの演じ方がはんぱでなく、アカデミー賞にノミネートされたのもさもありなんと思う。
とくに「ハンガーゲーム」「ウインターボーン」とまったく違った役柄を見事にこなしたジェニファー・ローレンスさんは、大女優への道のりを着実に歩んでいるのではないだろうか。
いいスタッフさんに恵まれてるんだろう。それも実力のうちだ。
心を病んだ二人の主人公だが、けっして特殊な存在ではないなと、観ているうちに思えてきた。
ていうか、二人の家族も、周囲の人々も、みんなけっこうイカれてるのだ。
ほんと、アメリカ人て面倒くさいと思う。
妻の浮気相手をふるぼっこして収監され、妻への接近禁止令を命じられながらも、必ず妻は自分の元にもどってくると信じているパット。
会社の同僚のすべてと関係をもってしまいクビになったティファニー。
二人に共通するのは強烈な自己愛で、おそらくそれは現代人の誰しもが抱いているもので、たまたま大きな事件をきっかけにそれが制御できないくらいにあふれだしてしまったのだ。
われわれも、なんとか制御しながら生きているのは同じではないか。
仕事、恋愛、友情、お金、社会的地位、人脈、家族、イベント、部活、自己表現 … 。
自分の存在感を誇示しようと様々な手段を駆使し、自己愛を飼い慣らそうとする。
ほんと現代人て面倒くさいと思う。
いや、「山月記」の李徴も同じ悩みをかかえ、制御できなくて虎になってしまったのだった。
人間とはなんとも面倒くさい生き物だ。
試験三日目が終わった。
ちょっとした生徒指導があって、その担任の愚痴をちょっと聞いた。
そういう子って、かわいそうな自分に酔ってるところあるから、なんか言われるほど自分の世界に入っていくからね。たまにはさらっと流してあげるのもいいかもしれない。
そうですね、がんばってみます、でも面倒くさいですね。
しょうがないよ、そういうショーバイえらんだんだから。
「面倒くさい」に「やりがいがある」と振り仮名ふれるように最近なったかもしれない(今わりと余裕あるからかな)。