『幕が上がる』仲間が同僚にいる。高文連の理事も務めているので、内部事情にも詳しく、そういう面でもよりこの小説を楽しんだようだった。
「キラリふじみで、『銀河鉄道の夜』やるんだって、チケット2枚あるけ … 」「いく!」というぐらいにくいついてきたので、二人でみてきた。だいいじょうぶかな、「きのう何食べた?」みたいな関係に見られなかったかな。
脚本はもちろん、平田オリザ氏の手によるもの。
芝居がはじまる、ああ、あれがユッコだ、ガルルだ、中西さんだと思うといきなり泣きそうになった。
なったけど、合宿疲れもあったのか、いや花粉症の飲み薬のせいかな、途中ちょっとオチてしまってて、話がわかんなくなった。
宮沢賢治の原作を読もうとしたことは何度もあるが、けっして長くはないのに、いつも読めない。
お芝居を見れば筋がわかるだろうと思っていたのだが予定がくるった。
気づくと、けっこう終わりの方の場面だ。
やべ、カンパネルラが川に入って45分経っちゃってるよ。ジョバンニが手ふってるよ。
お、おつかれ。役者さんたちにしっかり拍手した。約1時間のお芝居か。「こまばアゴラ」で来月みてみようかしら。
同僚に声をかけると、「うん、おもしろかったかな、ちょっと肩こっちゃった、あういうのが静かな演劇かな。こんどは笑えるのみたい」「それならまかせて、いくらでも教えるから」
先週は同じキラリで「ハムレット」を観た。
これはその筋の人からみたらとんでもない豪華キャストにちがいなく、また演出の多田淳之介さんも、やりたいこと全部やってまっせというくらいのてんこ盛り芝居だった。日本のお芝居とは、今こんな境地に達しているのかと感慨深かった。
最先端のものを観たからといって、すぐにそれを血肉にできるわけではないけれど、でも自分のからだに新しいものが入っていくように感じる。観るべきもの聴くべきもの体験したいものが増える一方で、年とっている暇がない(中身ね)。