水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

イタリアン

2013年04月07日 | 学年だよりなど

 生活指導研究会の代表が定年を迎えたのでコアメンバーで一度呑もうという連絡があり、川越駅西口から少し歩いたところにある「クチーナta・to」というイタリアンのお店に昨夕参集した。へえ、川越にこんな感じのお店があるんだと思えるたたずまいで、自分達おっさん6人以外はカップル客だったのも納得できる。
 生ハム、サーモン、スペインオムレツ風の料理の前菜から、アボガドと鶏肉のサラダ、牡蠣の香草焼き、魚介のパスタ、ピッツァ、牛すね肉の煮込み、イカスミの香りが漂うリゾット … 。呑み会と言えば居酒屋という暮らし向きの身にはめったに食べないラインナップはおいしかった。たまに醤油の関わらない食事もいい。
 新橋に「居酒屋ノート」とよばれる、全国各地の高校の寄せ書きノートを置くお店がある。
 その居酒屋のお客さんが、店内におかれた自分の出身高校のノートを探し、いろいろと書き込んでいく。また別の客が、そのノート目当てに訪れる。
 全国各地の伝統校、進学校のノートが当初中心だったようだが、現在は相当数の学校のものが置かれているそうだ。
 埼玉県内の高校も増えた。全国117番の川越高校、162番の浦和高校、1245番目にわが川越東高校ノートも置かれたという。
 埼玉県のノート一覧を見ながら、昨夜の主役Y先生は「おれの30年以上の教員生活のほとんどが、ここにノートのない学校なんだよ」と語る。おれもだ、と同席するもう一人の生徒指導一筋の先生。
 水持さんとこの子との違いはね、人に簡単にものを投げられるかどうかの違いなんじゃないかと思う、とY先生は言う。
 どういうことですか。
 誰かに何かをしてあげる、声をかけるということが簡単にできるできないのちがいかな。300円支払う、何かを手に入れる、みたいに、その場で完結する行為はできるんだよ。
 その場で完結しない行為って、いっぱいあるじゃない、これ貸しね、わるいね、こんどは俺がおごるよ、それは俺が○○しておいてやるよ、的な。そんなのを普通にできる層と、そうでない層があるんだよ。
 なるほど、それはもともとは家庭でのそういう関係ができていたかどうかからはじまりますよね。
 そうそう、目に見えないものの貸し借りを作らせる経験をさせるのが、学校の役割だよね。
 それは勉強より大事ですよね … 。
 傍目にはむさくるしい一団も、若者の将来を憂う、まじめな会話をしていたのである。
 自分でできること、自分でやった方が早いことも、どんどん他人に頼むようにするのが、教員生活晩年はいい、というお話も実に心にしみた。

コメント
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