水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

今やる人

2013年04月24日 | 学年だよりなど

 年度初めの「進路だより」の原稿。

 東進ハイスクールの林修先生は、東大・京大を目指す生徒さんを教えるコースの授業を多く担当されている。入試の時期が終わり、東大合格生に実施したアンケートを見ると、「そんなには勉強しなかった」という回答に多く出会うそうだ。一方、そこまでではない大学に合格した生徒は「相当がんばった」と回答することが多いという。
 たしかに、持ち前の地頭のよさで、なんなく合格できた子も若干名は存在するだろうと言いながらも、先生はこう説明する。

 ~ ある生徒が「そんなに勉強しなかった」と答えたにもかかわらず、「一日何時間くらい勉強したのか?」という質問に対しては、「平日は6時間、休日でも8時間くらいしかしなかった」と答えたというケースがありました。これって、普通に考えれば相当、いやムチャクチャ勉強したと言ってよい量ですよね。しかし、そう答えた生徒のなかでは、そんなに勉強したという意識はまるでありませんでした。
 彼以外にも、同様の回答は多数見受けられるのが常です。これは、彼らの感覚がいい意味でのマヒを生じているということなのです。高いレベルの仲間と切磯琢磨するうちに、多少やったくらいではやったとは思えない精神構造になり、「当たり前」の水準がインフレを起こしてしまったのです。(林修『今やる人になる40の習慣』宝島社) ~

 「切磋琢磨」。友人同士が互いに励まし合い競争し合って、共に向上すること。
 ほとんどの人間は、弱い。よおし勉強がんばろうと思っても、つい楽な方に流されてしまう。そんなとき、休み時間も問題と格闘している友人を目にしたなら、ふんばれるものだ。みんなが課題をちゃんとやってくる教室で、自分だけさぼるのは難しい。
 勉強だけにかぎらない。学校生活全部で、今年は、感覚がマヒするくらいの切磋琢磨をしよう。まちがっても逆の「当たり前」をつくらないようにしよう。切磋琢磨している同士は、カラオケとかボーリングとかいかなくたって心が通じ合える。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする