水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

挿入句

2013年04月25日 | 国語のお勉強(古文)

 大納言行成卿、いまだ殿上人にておはしけるとき、実方の中将、いかなる憤りかありけん、殿上に参り合ひて、言ふこともなく、行成の冠を打ち落として、小庭に投げ捨ててけり。(「十訓抄」より)

 「大納言行成卿」を○で囲む。これがS、じゃVにあたる部分は? そうだね。
 次に「実方の中将」を○で囲む。これあS、じゃVは? そうですね。
 「いかなる憤りかありけん」の部分をとばして係り受けしますね。この「いかなる~」の部分は、挿入句といって、独立させます。
 本文の途中に割り込んできた、語り手の補足説明なんですね。

 KくんとSくんは、今年はじめて同じ組になったんだっけ? そうか。これから二人がすごく仲良くなったとしよう。しようよ、仮にだから。いや仲良くなれよ、せっかくお隣さんに座ったんだから、いい? よおし。
 一緒に勉強して、一緒にいい高校時代を過ごしました。
 さて、卒業して大学は別々になり、何年も経ちました。Sは警視庁に勤めてます。捜査一課ね。
 ある日、立て籠もり事件がおこる。何人もの人質をとっている。すでに危害を加えられている可能性もある。
 よし、突入しよう。それしかない。
 「課長、身元が判明しました。なまえはK、○○大学を出たあと、 … 」
 「K … 」まさか。
 Sは耳を疑った。そう言われてみれば、風貌が重なる。
 「課長、犯人が人質をたてにして、外に出ようとしてます!」
 「おれにまかせろ!」
 Sは銃をかまえた。おれがやるしかない。
 こういう時、映画だと、ぱっと場面変わるよね。カットバックとかフラッシュバックとか言うんだけど。
 銃をかまえて、もう撃つしかない状況で、Sの脳裏が描かれる。
 SとKが放課後並んで勉強してるシーン、二人で帰りにお好み焼き食べてるシーン、なんかうまくいって二人がハイタッチしてるシーン … 。
 「課長、なんで撃たないんですか!」みたいなセリフの説明がこれ。
 こういうのが挿入句です。
 わかった?  Sくん。

 「 はあ … なんとなく … 」
 だめかなあ。いい説明だと思ったんだけどなあ。

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4月25日

2013年04月25日 | 学年だよりなど

 林修先生のご本を「学年だより」でもネタにしてしまった。もう一回分ぐらい使ってもいいかな。なんとCPの高いご本だろう。

 学年だより「ベクトル量」

 大学入試に対応出来る能力は、(あたりまえだけど)ほとんどの人がまだ全然身についてない。
 二年後にみんなのライバルとなる中高一貫校生は、現時点で大きく先を進んでいる。
 いまの時点では全く射程距離には入ってこないし、今のままでは差は縮まらない。
 じゃ、どうすればいいか。みんなの先輩はどうやっておいつき、おいぬいたのか。
 一言でいえば、がんばったのだ。努力したのだ。いっぱい勉強しただけのことだ。
 ひたすらがんばったのだ。ただし、「ひたすら」すぎて、「やみくも」になると、方向性を間違うこともありうる。
 最も多い間違いは、「今一歩成績が伸びない、なんとかしたい、よし塾か予備校に行こう」と発想するパターンだ。
 この場合、多くの人が、学校の勉強も予備校の勉強も中途半端になっていった。
 それなりに時間やお金を投資していながら、望ましい結果が出ない事態におちいることになった。
 何事かを成し遂げようと思うなら、「努力」は絶対条件だ。
 努力なくして、「いつのまにか夢がかないました」「目標が達成されました」ということはない。
 ただし、その努力には方向性がいる。間違った方向に進んでいないかどうかのチェックもいる。
 林修先生は、努力は「ベクトル量」だと述べる。


 ~ 「努力は裏切らない」という言葉があります。この言葉そのものは間違っていませんが、実は、少し補足が必要な言葉なのです。どう補えばよいかと言えば、
 「正しい方向でなされた努力は裏切らない」
 とすべきなのです。努力は、単に量だけでなく、方向性をもっているのです。このように、量だけでなく、方向性をもった大きさのことをベクトルと言いますが、努力はまさにベクトル量なのです。 (林修『今やる人になる40の習慣』宝島社) ~


 努力の方向性がまちがっていても、一生懸命やっているとそこそこの結果は出る場合もあるので、ずれていることに気付かないままに頑張り続けてしまう場合も多いという。
 じゃあ、どうすればいいか。人に聞くだけでしょ!


 ~ 結果を出す人は … まず方向を先に確かめ、これでいいと思ったらすぐ実行に移し、必要な量に達するまで努力を続けるというパターンを取ることが多いのです。こういう人は、この方向でいいかどうかという判断に迷いが生じた際には、ためらうことなくアドバイスを求めることができるのも特徴です。そう、ここでも「すぐ」に動くのです。 ~


 逆に「なかなか結果が出ない」と嘆く人ほど、アドバイスをちゃんと聞かずに、自分勝手なやり方をしてしまう傾向にあるという。努力の結果は、すぐに目に見えて現れるものではないが、みんなが今やるべき勉強にしても、部活にしても、正しい方向性というのは間違いなくある。
 だからまず、我々が「やれ」と言ったことは、そのとおりにきちんとやってほしいと切に願う。

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