学年だより「先行逃げ切り」
去年の夏期講習は、英数国の3教科を2セット必ず受けてもらったが、今年は一講座一週間の単位だ。午前に1講座しかない、もしくは何もない週もあるかもしれない。
そういう意味では、昨年の夏休みより自由度が高いと言えるが、もちろんそれは余裕を持って暮らしていいというわけではない。2年にもなれば、自分のやるべきことを自分でコーディネートしていけるはずだという、我々のメッセージをくんでほしい。
夏休みの午前中に部活が入らないのは、講習のあるなしにかかわらず、最低でも午前中一杯は勉強するのが普通という「からだ」になってほしいからだ。
そう、むしろ「からだ」の問題だ。また同じ話になるけど、今みんながやっている勉強は、「頭のよしあしレベル」のものではない。
ジョギングするように、ストレッチするように、顔を洗うように、歯を磨くように、身体的にこなしていくべきものだ。
まずは、勉強するのが普通だという「からだ」に、この夏なること。
そして一年半後の受験を想定した勉強を積み重ねていくことだ。
かりにいま英語の偏差値が45で、入試少し手前までに55にはしておきたい、MARCHレベルへの挑戦権は手にしたいと目標を立てたとする(急に現実的になったね)。
粗く言って、授業の内容にプラスして、300時間分ぐらいの勉強ができればクリアできると思う。長文を100時間、文法を100時間、単語・熟語を100時間というきわめておおざっぱなイメージでの話だが。
3年の夏スタートで300時間積み重ねるには、月に50時間、一日に100分が必要だ。
今スタートの場合なら、月に17時間弱、一日約30分ということになる。今から毎日30分よけいにやった分の積み重ねは実に大きい。
実際には、積み重ねていく期間が長ければ長いほど、無意識の繰り返しが自然に増加するから、純粋な足し算以上に大きな結果が得られる。
2年の夏からスタートするというのは、実は圧倒的に先行型だ。
早めにスタートした方がいいってみんな言うし、いろんな本にも書いてあって、当事者たちも「ほんとだよな」と思っているのだが、実際にスタートする子の比率はそう高くない。
一日に30分を追加するだけの「先行」でも、一年遅れでスタートする子が100分かけても追いつかない状態になれる。余裕をもって逃げ切れるだろう。
また、物事は、スタートしてしばらくすると、必ず修正すべき点が見えてくるものだ。
残り時間が少ないと、方向性が間違っていることに気がついても、なんとかなるのではないかと無理矢理自分に言い聞かせ、結果として大きなトラブルにつながる場合がある。
早めにはじめておくと、ミスに気付いた場合、修正することへの抵抗感が少ない。
だから、「早めに」「少しずつ」はじめておくのが、一番効果的だ。