水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

9月13日

2013年09月13日 | 学年だよりなど

 学年だより「根本を変える」

 風邪をひいた、咳がとまらない、医者へ行った、咳止め薬をもらった。
 鼻血が出た、繰り返し出た、医者へ行った、鼻の内部に止血剤を塗ってくれた。
 背中が痛い、吐き気もする、医者へ行った、痛み止めを注射してくれた … 。
 どのお医者さんも、その瞬間の症状を楽にするという意味では、正しい処置をしてくれたのかもしれない。それが正解であることも、もちろんありうる。
 ただ実際には、表面的には見えにくい疾患がその症状をひきおこしている場合も多く、それを見抜いて根本的な治療をしてもらえることを、われわれは期待する。


 ~ (風邪のとき)、良いお医者さんはどうするでしょうか。あなたに、いくつも質問をしてくれることでしょう。夜更かしをしていないか、食事をちゃんととっているのか、うがいや手洗いをしているか、です。
 それらの質問は、あなたの風邪の原因が、本当にどこにあるのかをつきとめるためのものです。そこであなたは、健康的な生活をしていないことに気がつきます。
 今まで何も考えていなかったのに、客観的に自分の生活を見ることで「ハッ」と気づくのです。これが大事なのです。 (清水章弘『現役東大生が教える 頭がよくなる7つの習慣』PHP文庫) ~


 何らかの症状があって、その原因をはっきりさせないまま対症療法だけを行っていても、根本的解決にはならない。
 たとえば、ダイエット。テレビ番組で「ダイエット効果のある食品」として紹介された食材は、次の日にはスーパーから姿を消すぐらい売れる。「少しやせなきゃ」と考えていた人が、「いいこときいた!」と喜んで、毎日納豆を2パックずつ食べるのだ。
 食生活をまったく変えないままに納豆を食べても、納豆分のカロリーを毎日増やすだけだ。
 考えたらわかりそうなものなのに、でも、なんかやり始めた気分になってしまう。
 日々の生活を改めないまま、「やせる薬」を呑んでも、むやみに運動してみても、ダイエット食品だけで生活してみても、根本は変わらない。
 無理に何かをしなきゃと思ってやるダイエットは、ふつうはリバウンドする。
 ほぼ無意識レベルで、食生活が少し変化したり、生活パターンが変化すると、意外と簡単にダイエットは成功する。
 何を言いたいか、この先どんな展開になるか、もう予想はついたでしょ?
 どうも成績が思わしくない、どうしよう、勉強しなきゃ … 。
 そう思って「よし、予備校に通おう」という選択をするのは、とりあえず納豆2パックずつ食べ始めるのと変わらない。
 成績が上がらない根本的原因が、予備校に通うことで解決する「症例」は、極めて少ない。
 たとえば部活をやめてみても、ほとんどの人は根本的解決にはならない。
 むしろ、そういう解決手段を考える精神状態がマイナスに働くことさえあるのだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする