水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

9月24日

2013年09月24日 | 学年だよりなど

  学年だより「選択」

 3年の選択科目をどうするかは、この二学期にみなさんが決める大切な選択だ。
 そのためには、志望大学をおおまかにしぼっていく必要がある。
 先日の「合格体験談」で先輩が語っていたように、「○○大学一本」とか、「私立三教科限定」とか早々と絞り込むのは得策ではない、というのが原則だ。
 ただし、あくまでも原則だ。人によっては無駄に手広くするのが非常に危険な場合はある。
 自分の進路を考えて、それにあった選択をしなければならないが、現状をしっかりふまえた上で結論をだしてほしい。
 とはいえ、あれこれと長時間考えすぎるのも、かえって悩みを深めることもありうる。
 人生はどこかで結論を出さねばならず、その選択が成功であるのかどうかは、誰にもわからない。
 これだ、と決めたなら、それに向かって有無を言わさずやり始める姿勢が一番大事だ。
 さて、大学を選ぶとき、みなさんは自宅から通える大学を選ぼうとする傾向が強い。
 実はこれは、№33でも書いたが、関東近辺に住む高校生にのみ許される「特殊」な感覚だ。
 たしかに大学は東京に一極集中している。
 アルバイトやサークル活動など、少し広く学生生活の場面を想定したとき、都内のそれなりの場所での学生像がイメージしやすいだろうとは思う。
 しかし、いざ就職というときには、都内や埼玉県下になる可能性が高いみんなが、大学生活の4年なり6年なりを地方で暮らすことは、人間的成長の面でプラスにはたらく場合が非常に大きい。
 地方で暮らすこと、つまり自宅を出て暮らすことに大きな価値があるのだ。
 『ユメタン』のキムタツ先生も、こう述べられている。


 ~ 候補の中に自宅からは通えない遠方の大学があるなら、それは最後まで選択肢として残しておこう。親元から離れる4年間では、人間の成長度合いがまったく違う。多少お金がかかっても、僕は親元を離れることをおすすめしたい。お金は、就職してから返したらええ。
 もうひとつ、海外留学に熱心で留学関係のプログラムが充実している大学があるなら、それも選択肢に残しておこう。大学に入ったらバイトをしたいとか考えてるかもしれんが、バイトなんかせんでもええ。社会に出たら「休みたい」と思っても働かされるんや。バイトなんかする時間があったら、受験で培った精神力と英語力でぜひ海外に行ってもらいたい。 (木村達哉『キムタツ大学受験相談所』旺文社) ~


 「地方の大学より都会の大学の方が就職が有利って聞いたけど」と思う人もいるかもしれないが、そんな一般論はまったく成立しない。どの大学に在学しているのかだけが判断基準となって就職が決まるほど、現状はあまくない。あくまでも、その人の人間的な力の問題だ。
 だとしたら、自分の「選択」の際にまず考えなければならない基準も見えてくるではないか。
 それは、就職に有利とか、家から近いとか、学費が安いとか、環境がいいとか、諸々の表面的、二次的要因ではない。自分を成長させるのにふさわしい場所であるかどうかだ。

コメント (2)
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