玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

時節柄、このヿを言ふ

2023-08-12 14:54:11 | 報道

随分前ですが、デモクラシータイムでNHK出身のコメンテーターの方が「アサヒは戦争の総括の本を出したが、やっとNHKも出せました」と言ったのを思い出した。その朝日新聞が出した本とは、どうも此れみたいである。

まず、ポツダム宣言の報道を「黙殺」と書いた柴田記者は迫水久常書記官長が、「今は受諾できない。黙殺というか、…」と言ったので、「黙殺」と書いたという。しかし、翌日同盟通信社が「黙殺」という言葉を使って世界に発信したので、原爆投下に繋がった、との言説が戦後流れた。

―いずれにせよ、原爆投下も、「黙殺発言以前に固まっていた。」と書いているが、「それでも別の答え方をしていたら、…」との思いは日本人に残る。―

この記者は原爆投下が黙殺発言以前に決まっていたという根拠に触れていない。「ポツダム宣言」は7月27日に出されている。その直後に原爆投下が決まっていたということになる。また言葉の発信源は迫水書記官長だという。

だがアサヒは小見出しで「黙殺」と使っている。

最後に、柴田は自らの「悔い」には一切触れていない。こういう弁解がましい記者は好きになれない。

何より「黙殺」の弁解を本に載せた朝日新聞とは、如何なる報道の理念を持っているのだろうか。

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