この本は寝る前に読む本でした。この著者(三根生久大)の本は三冊あるが、読み終えた一冊である。戦後生まれは軍隊の経験がない。戦前の此の國を研究するには、軍のことを、とりわけ陸軍のことを知らねばならないのです。
先の戦争は、主犯として、陸軍が起こしたと思っている。しかも「幕僚」と呼ばれる高級将校が自らの仕事・生活・野望、等の理由で、戦争を職業として、仕事として、しかも感情的に実行した。
陸軍将校の中の高級官僚たる「幕僚」になる為には陸軍大学校を卒業することが必須条件でした。
陸大の入試科目には数学や歴史や語学があっても、国語、文学、哲学(思想)がない。当然入学後も哲学や政治に関わらない。これで現実の政治を担うことができるのか?
この陸大を卒業した幕僚たちが青年将校が起こした2・26事件の後に漁夫の利のように政権を侵食した。
永井荷風は日記に近衛政権なのに「軍人政府」と書いていた。近衛が政権を投げ出した時に、木戸幸一内大臣は東條英機を首相兼陸相にさせた。
木戸は現実主義者なのか、影の軍人政府を現実の「軍人政権」とした。依って、日米戦争は必定になったのでは、…。