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「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「7歳児の抵抗」

2017年05月25日 | 家族・孫話

         

その昔、「四十八歳の抵抗」という小説がベストセラーになったことを、うっすらぼんやり覚えている。
石川達三原作の同名小説を、新藤兼人が脚色し吉村公三郎監督によって映画化され、大入りの好評を博した。との記録がある。
これから認めるブログとは直接も間接も関係ないので、ほんのちょっとした触りだけをチラッと。

主人公は、保険会社で次長を務める西村耕太郎48歳。主人公をそそのかすメフィストフェレスのような部下の曽我法介に誘われ、慰安旅行先の熱海の歓楽街や東京の夜の街を徘徊し、バーで19歳の少女ユカと出会い「おじさま好きよ」などと言われる。
・・・・・・といったところから始まる、当時としてはセンセーショナルなるな物語で、世の男性を引き付けた作品のようである。

ここからは全くカンケーない話である。
孫の三男坊悠雅君は、それはそれは元気者。お腹さえ満たしてやれば何でもやって見せてくれるセンスも持ち合わせている。
ところが、「猿も木から落ちる」と言われるように、3週間前の休日、自宅前の路上で自転車でひっくり返って重傷を負った。

といっても元気盛んな子どものこと。膝小僧は目をそむけたくなるほどの打ち身擦過傷だが、本人はいたって強気。
でも顔をしかめて痛がるので外科に行って応急処置をしてもらった。この程度で膝の方は骨に異常はなかった。
2・3日して、「左腕が痛い上がらん」と言い出した。今度は母親も心配になり整形外科へ。
こちらは「わずかながら骨折をしている」という診断で、ギブスで固定。いわゆる重症の部類となってしまった。

今週末土曜日には運動会を控えているというのに練習もままならない。先ずはこれがストレスの発生源。
駆けっこなど追随を許さないダントツだが、果たして今年は走らせてもらえるだろうか。応援合戦など出してもらえるのかな。
そんな悶々とした気持ちで放課後教室に行ってはいるが、この3日連続で「頭が痛いそうですから連れに来てください」と連絡が入った。

放課後教室を出る時は、いかにも頭が痛いらしいうなだれた素振りを見せている。が、ひとたび車に乗ったら元気百倍。
我が家に帰っても、食うわしゃべるわ笑うわ・・・やらないのは野球練習だけ。なんじゃこのタイドは?

つらつら思う見るに、これこそが「7歳児の抵抗」なのである。
同級生皆が外で元気にサッカーやドッジボールに興じているのに、首から吊るされた腕にはギブス。外で遊ぶことは許してもらえない。
となると、上級生などがあふれる放課後教室の中には自分の居場所がない、と感じたとしても無理からぬ話。

じいちゃん・ばあちゃんが代わる代わる迎えに行って、普段より1時間も早く連れて帰る。
帰ったらふんぞり返って「あれ食べたい、これ造って・・・」とテレビを観てござる。
四十八歳の抵抗とはまるで縁のない話だが、彼は彼なりに心地よく生きるための「7歳の抵抗」を示したのである。

こんな幼い抵抗も、遠い将来役に立つときが来るのかもしれない。

コメント (2)
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