造成から27年の歴史が流れた我が住む小さな団地。かつては子ども会活動も活発で、小学校の登校班を組んで、上級生が下級生を指導するという、どこにでも見られる普通の団地の姿があった。
高齢化や少子化はこの団地も例外ではなく、今や子供の数は極端に減り、子ども会も解散し登校班も組めない自主登校のありさま。当然ながら定年退職者や自営のリタイア組など、高齢者があふれる団地へと様変わりした。団地公園にあふれていた子どもたちの遊び声が消えて久しく、その代わりに公園は誰も使わない、草取りに追われる、言うなれば無駄な広場になりかかっていた。
公園を活用して何か和みのある活動が出来ないだろうか。
そんな思いが高じて、3年前のこの季節に思い切って始めたのが、小さな公園の小さなグラウンドゴルフ同好会の立ち上げであった。
スタート時の会員は、3夫婦と個人4人の合計10人。最高齢者は当時82歳男性。次が79歳女性。最も若い人で69歳という、平均年齢では他の先輩同好会に負けてはいなかった。
この10人で和気あいあい楽しくやってきた。残念ながら一人の男性が心臓発作でリタイア。目下実質9人で間もなく4年目に入る。そろそろ本気で若い人の入会を誘ってみようということで、「お試し会」を企画してチラシも作成。各班毎に回覧版として案内を流した。その第1日目が今日であった。市の運動施設から6人分の用具を借り受け、新人名簿も書き込めるよう周到な準備で公園に出向いた。普通の練習日より気持ちはハイテンション!!
残念、約束の時間が来ても、顔ぶれは今までと変わらず新人の顔は見えない。心臓発作でリタイアした元の仲間でさえ杖をついて来てくれたというのに、新人さんの参加はゼロ。気持ちの半分は「誰も来ないだろうな」ではあった。それでもこうしたお誘いを1年に1度は出しておかないと「勝手に仲間を集めて勝手にやっている」というやっかみは必ず出てくる。そんな野暮をいう人の対策としてのパフォーマンスの意味もある。そして公園を使うという負い目もあるし。
一つのことを何かやろうとすると、八方目配り気配りをしてこそやっと活動出来るという側面はある。これが人間社会でもある。
ただ、結果的にはまた向こう1年同じメンバーでやることになる。それはそれでいい。気の置けない仲間同士が「今日は調子がでなかった」「今日は最高じゃった」と互いを評価しながら、気持ちも身体も少しの運動も楽しんでやってりゃ、そのうち「やってみようか」という物好きがあらわれないとも限らない。要は続けることに意義を求めて。
写真入りで念入りに仕上げたチラシに、お茶を引かせたのは少し残念ではあるが。