季節を刻む、待つ宵草の黄色い花
8月に入ってから、本当に夏らしい暑さがやってこないまま、つごもりを迎えた。
孫兄弟を引き連れて、手弁当持って故郷の川に出かける、夏恒例の行事さえできないまま8月が終わる今年の夏。
ハヤ釣りに執念を見せる5歳児の躍動も見られなかった。
浮いては沈み、沈んでは浮いて、一日中でも泳いでいる6年生の魚と同化したような姿も見られなかった。
中2の兄ちゃんは、明けてもくれてもクラブ活動や試合で、中学校に取られっぱなし。
それに、日本列島各地で集中豪雨による大災害を引き起こした上に、日照不足による野菜の不出来。
値段は上がる一方で、台所予算を圧迫する。キューり1本が100円とはねー。
まさに踏んだり蹴ったり、あまりいい夏とは言えなかった。
それでも自然の草花は、季節の移り変わりを確実に捉え、去りゆく夏の名残を告げる「待つ宵草」が、黄色い小さな鼻を付け始めた。
この花が咲き始めると、夏休みも終わりを迎える。いよいよ2学期に向けて、新たな日々が始まろうとしている。
6年生の孫カー君が通ってくるじいちゃん学校も、読書感想文を仕上げたところで閉校となった。
宿題は全部できたのだろうか。1学期の復習が少しは役に立ったのだろうか。明日はちゃんと全部を学校に提出すればいいが・・・
などなど、ジジの気持ちを知ってか知らずか、「ウン大丈夫よ、心配せんでええよ」と口では威勢がいい。ほんまかいな・・・。
まあいい、本人がそういうのだから、それ以上をしつこく聞くと、彼としてもプライドを傷つけられるだろう。このあたりで妥協だ。
例年と比べれば、今年は随分と中味の濃いじいちゃん学校になったのかな、などと思う。
雨や曇りが多くて、二人で遊びに出かける時間も少なく、お城山登りも登山道の崩壊で計画倒れに終わってしまった。
そしていよいよ明日から2学期スタート。
我々地元の高齢者仲間による、新学期を前にした学校周辺の草刈りに、昨日も今日も朝早くから汗を流した。
肝心な孫君は、ジジの住むところとは小学校区が異なるので、直接的に孫君の手助けにはならないが、地元の小学校中学校の要請を受けて、草刈り機10台。釜やガンゼキなどの手作業20人。そんな動員で環境整備活動を行うのも、この時季の一大行事である。
間もなく行われる運動会に向けて、校長先生の感謝の笑顔が、汗にまみれた身体を冷やしてくれる。
季節は夏から秋へ緩やかな移ろいを見せる。
思いがけない急な冷え込みに、今度は風邪ひきの対策を考えながら、健康維持にまた一つ気を付けなければ・・・。