我が家にとっては今日が実質的なお正月、長男一家と長女一家が勢ぞろい、賑やかな大宴会となる。ただ一人肝心な長男は、勤務体系の影響でフル操業の会社を休めず、一人自宅に残ってお勤め第一。
ババ殿は今宵のために元旦から台所に立ちっぱなし。今年は嫁さんがお手伝いをしてくれるので、少しは腰を伸ばすいとまがあったようだ。
何しろ一人が「オレ、ばあちゃんのあれが食いたい」と言えば「オレはこれとあれ」と勝手に注文を出す。極めつけは中三の孫君。他の者と同じものを食べずに特別注文を出す。寿司だけでも「田舎巻き」「サラダ巻き」「お稲荷さん」、コロッケを、ギョーザをと口々に個別注文を出す。それらに応えるのはそれこそ大変。その他にもポテトサラダに豚汁、芋煮、から揚げ、煮しめに煮豆。レンコンの三杯酢など定番の正月料理では許さないグルメぞろい。毎年大変な思いをするババ殿にとってお正月は、大いに迷惑だがやはり来て欲しい。でも「来年からこんなメニューは終わり」と言ってはいるがはてさて。
午後からぼちぼち集まって来るので、準備に忙しい午前中は家の中でうろうろしないのに限る。小1の姫孫と二人で海の公園に逃避。そしたら今度は小1からの質問攻めに遭う。「海の音って静かだね、ゴーって言わないね、ゴーって言い出したら人間も町も飲み込むんでしょ」という。海面そばの山肌が少し崩れていたら「土砂災害になりそう」。波打ち際にゴミが打ち寄せられたら「誰がこんなゴミを海に捨てるん?津波ってこんなゴミがたまって流れてくるんでしょ」。さすが毎年海岸清掃に汗を流すジジの孫。などと思いながらも、聞くこと全てに的確な返事をしなくてはならない。夏に浮き輪を持って出かける海の公園ではこんな話しないのに、これも季節をわきまえて、話の内容が変わって来るのが面白い。
そんなこんなで我が家のお正月も今日でおおむね終わり。一番大変なのはババ殿だが、うろうろするジジも大変なのだ。それにお年玉だって。そのお年玉が今年から大口が二口減った。自分たちで稼ぐようになった。これもひとつやれやれ、肩の荷を下ろすことになる。それにしてもよく食う、遊ぶ。そりゃそうだ、各自の希望を叶えるご馳走に美味しいお酒。長男こそいないが嫁さんと二人の子供、長女夫婦に3人の子供。賑やかを通り越して付き合うのが大変。それでも百人一首を主体に、蘊蓄を述べながら読み手を3回もやってのけた。ああやっぱりいい正月だったね~。