『平成』 そして 『令和へ』
働き盛りの46歳で迎えた平成と言う時代。30年に及ぶその歴史に幕を閉じようとしている。
昭和の激動を切り抜け、右肩上がりの好景気の中で、年齢不相応の恩恵にも預かった。その反動で、リーマンショックや山一證券倒産など、身震いするような不景気風もこの身に受け止めて来た。
いずれにしても、全体的には穏やかで、何かしらゆったりした時間の流れを感じたのも、平成と言う世の中の特色であったようだ。
平成天皇の国民に寄り添う温かなお人柄や、皇后陛下を思い遣られる優しさ。そして何より、戦争の悲惨さを身をもって感じておられ、国内外のかつての激戦地や、広島・長崎の原爆犠牲者の慰霊とともに、世界の平和を心から願われた様子が、国民感情の中に、ほんわか温かいものを伝えられたようで、比較的穏やかな時代であったように思う。
これらの受け止め方は、人それぞれ十人十色。一人ひとりがそれぞれの思い出を噛みしめればそれでいい。
今回の今上天皇のご退位という儀式は、二度と見ることはない歴史の生き証人として、時代の変わり目に立ち会わせてもらった。これはある種大きな徳を得た気持ちで、しっかりうかがわせてもらった。
そしていよいよ明日からは『令和』という時代が幕を開ける。
まとわりつく孫が5人もいる今思うことは、この孫たちにも、私たちが過ごして来たような、戦争など大きないさかいのない穏やかで平和な時代を過ごさせてやりたい、ということだけである。
平成よさらば。佳き時代であった。