神社にしつらえられた茅の輪
水無月つごもり、6月30日は「年のへそ」と言われるそうだ。
早くも今年1年の半分が終わり、文字通り折り返し点を迎えた。つまり、1年のちょうど真ん中ということで「年のへそ」と、粋を好む日本人が考えた遊びの一つかもしれない。ただこの遊びの中には重大な願い事が秘められてもいる。
これから迎える夏場に向けて、暑気当たり・水当たり・食中毒・・・など夏の病から身を守る「夏越の祓い(なごしのはらい)」が神社で執り行われる。
いわゆる茅の輪くぐりである。茅の輪くぐりとは、参道の鳥居などの結界内に、茅(ちがや)という草で編んだ直径数メートルの輪を作り、これをくぐることで心身を清めて災厄を祓い、無病息災を祈願するというもの。❝水無月の夏越の祓いする人は千歳の命延ぶというなり❞ と言われるように、先人の経験則に逆らうことなく、素直に無病息災、健康長寿をお願いしたいものである。
本格的な暑さを好む人もいる。特にスポーツ選手など「夏場になると本調子になる」と口にする人も多い。
我々一般人にも夏好み、冬好み、意見は分かれるであろうが、現代の地球温暖化による高温・高熱はたとえ夏場好みといえども尻込みしたくなる現象ではある。
苦しい時の神頼み、茅の輪をくぐって夏越の祓いも自ら積極的におこなって、夏場に実施される色んな楽しいことや、炎天下の孫君の野球応援など元気に夏を迎え、元気に夏をやり過ごしたいものだ。
四季折々の神仏を祀る各種行事は、わずかなお小遣いをもらってお詣りする子供の頃の思い出だが、この年になると、何はともあれ健康第一を願う時、神仏のご加護を頼りにしたくなることもある。