一輪・二輪咲き始めた桜 3.31
弥生三月は、寒さも峠を越し、多くの花が咲き競う胸ふくらむ頃である。
一方で、別れの季節でもあり、人によっては命運を分ける季節でもある。
元々「木草弥や生ひ月(きくさいやおひづき)」といわれ、木や草が芽を出し生い茂る季節のことをこのように呼んだ。それがいつしか省略されて「やよい」といわれるようになった三月。「弥生」の他にも「花月(かげつ)」「花見月 (はなみづき)」「夢見月(ゆめみつき)」「桜月(さくらづき)」などといずれも風流な呼び方をされている。
しかし、3月11日を境に、そのような浮かれ気分を一掃。人類等しく悲しみにこうべを垂れる弥生となった。
この記憶は未来永劫忘れることなく語り継がれ、春の訪れは痛恨の思い出と共にやって来ることになる。
長く寒かった冬もようやくここにきて日中だけでも少し暖かくなってきた。
固かった桜のツボミも一気に軟らかさと赤みを増し、開花の準備に余念がない。
時節が来れば咲く桜に勇気をもらいながら、国を挙げての再起に望みをかけたい。
桜に限らず、寒さに耐え一冬を越したたタマネギも逞しく成長している。
これらの力強い姿を、沈みがちな今の気持ちの糧として、直面している難局に立ち向かうことが求められるのだろう。
もちろんそれは、被災された方々や、現場で復旧に汗を流されている方々だけでなく、我々一人ひとりも同じ気持ちなのである。
お隣、周南市八代で越冬したナベ鶴11羽も、元気にシベリアへ旅立った。
あすから4月。「卯月」のスタート。