国道沿いのスーパーに掲げられた横断幕
高校3年生の孫兄ちゃんは、すでに志望大学への進学が決まり、しのぎを削るはずの受験シーズンも割と気楽に過ごしている。昨年までと同様全国高等学校スキー大会、つまりインターハイに出場するということで、追い込み練習にも力が入っている様子。
有難いことに今年も、出身の地元中学校の体育文化後援会や地区社会福祉協議会などから、我が家のすぐ近くの国道に、お祝いの立派な横断幕を掲げて頂いた。普段は島根県の山里の高校で寮生活をしているので顔を合わせることもない。それでも彼のために毎年、ふるさと応援団はこのような形でエールを送ってくれている。高校卒業の暁には「ふるさとの温かみ」をとくと肝に銘じさせよう。
高校生活を締めくくる今年のインターハイは、秋田県鹿角市だという。
過去3年間で、インターハイ、国体など合わせて6回も、本州の有名スキー場の雪を体験させてもらったことになる。長野県菅平、青森県大間、新潟、群馬などなど。戦績はともかく岩国の片田舎出身の高校生としては、あまり例を見ないほど大きくて貴重な体験をさせてもらった。その上、合宿はと言えば小学6年から3年間は北海道夕張。小学3・4・5年は鳥取大山へ単身で乗り込んだ。親も勇気をもって送り出したがが、彼自身もよく頑張ったと思う。
おそらく最後になるであろう全国大会出場なのだから、ジジも応援に出かければよさそうなものであるが、なんせ遠い。その上凍り付くような寒さの中で長時間の待機。決して寒さに強くないこの身が耐えられるだろうか自信が持てない。
時速100㎞前後のスピードで、100分の1秒を争うギリギリの滑降姿には、大きな価値を認めるしその勇気も讃えたい。だがそれは、出発前の生の声掛けとご飯代の足しに渡すお札で勘弁してもらうのが良さそう。無理して出かけて彼の足を引っ張っては台無しである。
まさにいい青春。いい中学・高校生活を送った彼は、何かにつけて足を地に着けて歩んでくれと信じたい。
両親の思い切った子育ても間違ってはいなかった。それに応えた彼の、現在にそして将来に期待したくなるジジバカである。