信楽焼のオタヌキさん
NHK朝ドラの「スカーレット」。昨日の放送の中で「今やから云うけどな」と、主役の喜美子と八郎が繰り返し云う場面があった。
「今やからいうけどな、ウチやっぱり穴窯やりたい!」と、喜美子が最後に絶叫するシーンがおもろかった。というか印象に残っている。
「今やからいうけどな」といって今しゃべるということは、過去に云いたい時があったのを、我慢して云わなかった。が、やっぱり云うてしまおうという、開き直りみたいな、意を決した人間の気持ちの揺れ動きが見えて、なんかしらおかしくなる。
今やから云うけどな、先週20日から26日までの1週間は、体調不良でひどい目にあった。
確たる原因が分からないまま、妙な腹痛が発熱を呼んで、トイレ通いは頻繁。しかも先週は木曜日が開いていただけで、あとは全て予定がビッシリ。特に金曜日は特別なイベントが待っていた。早く治さなければならない一心で、食事に細心の注意を払い、ひたすら睡眠時間確保。
どうにか金曜日の大切なイベントをクリア出来て、ホッ!正直な今の心境である。
その時には云いたくても「今云うとまずいよね~」と空気を読むことはしばしば。
会社現役のころは、来る日も来る日も「云いたいことはあした云おう」の連続で、ほぼそれが当たり前みたいなところもあったのかな。
現役を終えて10数年、今はどうか。大きくは変わっていないね~。「今は云うまい」がやはり多いようだ。
それでも「今やから云うけどな」と云える場合はまだましな方なのだろう。ついに云わず語らず腹にしまったまま、ということもままある話。
「思うこと云わぬは腹膨るる心地する」といったのは誰だったっけ。
まあ云いすぎて相手にトゲを残してしまったら何の得にもならない。それどころか、相手だけではなく自分にも大きなトゲを残す結果に至っては本末転倒、身も蓋もない話になる。何度も経験してきたな~。それならいっそ沈黙がいい。
「今やから云うけどな」。その時がくるかこないか、神のみぞ知る。ちょっと大げさだね~。