青葉若葉が目に染みる季節と言われる中で、まさに絵に描いたような絶好のお天気。
柔らかな緑色に映える薄紫のフジのはな。その向こうには濃いピンクの山ツツジ。絶妙のコントラストが心憎い。
どこにでもあって格別な風景ではないのだろうが、今この限られた時季でしかお目にかかれないとなれば、やはり今年は今年の景色として目に収めておきたいと思う。
開いた花弁は上向きに、花房全体は一様に揃って垂れ下がり下を向いている。でもそばに寄るだけで独特の匂いを放つ。
強引に人目を引く色濃さも持ってはいない。むしろ少し頼りない淡さを秘めている。なのに人から見上げられるフジのはな。
同じ花でもその生きざまは色々だねー。 そこで “さがるほど 人の見上げる フジのはな”
時には少し肩をすぼめて生きる様も悪くないような。
そんな公園に咲く花を愛でて、多くの人出でにぎわう錦帯橋祭りに足を運ぶ。
河川敷に広がる骨董市や、単なる古ものを並べたような露天商を冷やかし、メダカが卵を産み付けるという手作り根城を買った。
賑わう骨董市 錦帯橋を渡る大名行列
錦帯橋祭りのメインともいうべき「奴道中、大名行列」を眺める川土手に陣取る。
広島から来たというおばちゃんに、一方的に錦帯橋のうんちくを少しだけ披歴。あまりいい反応ではなかったような。
そして思うのは、祭りのスケールが年々小さくなっているようで心もとない点である。
「錦帯橋を世界遺産に」と叫ぶ声がある割には、こういった観光イベントのプロデュースがイマイチのような。
市観光課や観光協会などが中心の実行委員会なのであろうが、今少し努力が欲しいという気がしてならない。
派手さを競うのではなく、フジの花のように地味でもいい。下を向いて垂れ下がっていてもいい。
が、あの匂い立つような独特の香りを放ち、「楽しい祭り」と地元の人も見上げるような祭りになってくれるといいのだが。