長月も今日でお終い。こよみの残り枚数も3枚となり、改めて時の流れの速さを実感している。
ここにきて政局は揺れに揺れる解散総選挙となり、静かな静かな里の秋~♬も、選挙カーの連呼に眠りを覚まされそうである。
プロ野球の方は、必死で応援したカープが、ものの見事に連覇を果たして喜ばせてくれている。
次なる戦いは、クライマックスシリーズ(CS)、そして日本シリーズと、今年の日本一を勝ち取る試合が待っている。
37年ぶりの連覇でセ・リーグの頂点に立った、そんな我らのカープであり、湧き上がる地元広島の歓喜は筆舌に尽くしがたいものがある。でも、そんな事実を報道する新聞の論調は、新聞社によって大きく異なる。温度差などという言葉があるが、そんな言葉では言い表せないほど大きな差があることに驚く。
もっとも、中国新聞は広島を地盤とするローカル紙だから、その報道の熱狂ぶりはまさしく「カープと共にある新聞」と言える。
一方全国紙は、一つの球団に偏ることなく、プロ野球ファンの期待に応える平均性を保っているか、と言えば決してそうではない。
購読中の毎日新聞を例にとると、プロ野球はソフトバンク一辺倒。中国新聞の熱狂的なカープ報道に負けず劣らず、ソフトバンクの選手の写真ほか詳細な記事が紙面を占める。他球団の様子は4・5行を割く程度である。
そんな毎日新聞が、あのソフトバンクでなければ夜も日も明けない毎日新聞が、意外や意外3日連載でカープの選手育成の裏側を取り上げたコラム記事を掲載した。思わず、エッなにこれと思いながら、新聞を切り抜いておいた。その見出しを並べたのがこの写真。
タイトル『黄金期再来』。サブタイトル「カープ連覇の裏側」であり、興味を引く見出し文字が並ぶ。
早い話が、ドラフトの逆指名制度やフリーエージェント制度で、思うように補強できない弱小球団が、荒削りの原石を発掘する眼力。それを磨き上げ一流の輝きを発する選手に育て上げる「育成の手腕」を高く評価したコラムであった。
高額な年俸を提示して、他球団の中心打者をかっさらうように集める球団との違いも見え隠れす。
その上に、カープという球団の中で、鍛えられ、耐えて這い上がって来た若い選手を後押しする、ファンの優しい眼差しと声援。
これごどの声援が膨らむのは、ただ強いからではまく、お金はかけなくても自前の努力と結束力で優勝できる力は育つ、という球団方針が全国的に評価されたものである。そんな風なコラムだったと思う。今一度いう、あの毎日新聞がね~、時に味なことをするもんだ。