3枚の葉っぱを浮かべる、スイレン
スイレンのタネを買って来て、雨だれ受けの火鉢に投げ込んでおいたのが2年数カ月前。
そのタネは、「ドブに落ちても根のあるヤツ」だったのであろう、ついに初めて芽を出し、1枚の葉っぱを付けたのが先週日曜日。
あれから1週間。1年中で2番目に多忙な地域活動のピークに追われ、ゆっくり火鉢を覗き込む時間さえ惜しまれるほど忙しく過ごした。
8月1日発行の機関紙。Aー4版4ページのレイアウトを決め、あらかたの記事・写真をまとめた第一稿を印刷屋に提出した。
7月半ばに行う一大イベント海岸清掃の、企業や官庁への案内回りも一通り済ませ、実行委員会議案書作りや細かな段取りも少しずつまとまってきた。やれやれ、腰を伸ばし一息ついて、ふと火鉢を覗いたら、早くもスイレンの葉っぱは3枚に増えているではないか。
これは間違いなく「やがては蓮(はちす)の花と咲く」日が来るに違いない、と勝手に夢を膨らます。
そこでようやく、今日が今年前半の終わり。早くも水無月つごもりであることに気付いた。
九州や山口県は避難騒ぎの大雨警報続き。関東方面では早くも梅雨明けとか。世の中目まぐるしい速さで動く。
そんなあれこれに追われ、毎年欠かさない6月の墓参さえ忘れかけていた。これは忘れてはならない我々夫婦の一大事である。
本来なら我が家の長男となるはずであった幼い命。この世に生を受けてわずか30分の命でしかなかった。
そんな40数年前のできごとではあるが、それさえも忘れてしまいそうなほどの忙しさ。身体にはあまりよくないようだ。
それにしてもなんにしても、6月中に一つ、また一つこなして来た。そして明日から7月。
火鉢に投げ込んだスイレンのタネは確か3粒であった。でも芽を出したのは一粒だけである。
ということは、同じドブに落ちても根のあるやつは、3粒のうち1粒だけだったということになる。
命をつなぐということ。幼くして散る命。生きるっていうことはこういうことなのか。やっぱり世の中って面白いね~。