夏を代表する風物詩、青空を席巻するが如き入道雲、雲の峰、積乱雲。
その名の通り、大きな入道頭にまんまる目を剥いたような、如何にも大入道を連想させる雲。
「あの雲の下では大粒の雨が降っているのだろうか」などと子ども心に心配もしたあの盛り上がる雲。
そんな勇壮な入道雲も、8月も晦日を迎えるころには、少し丸みを帯びて優しく穏やかに見えてくる。
体感温度や汗の量は変わらなくても、季節の流れは確かな足取りで移り行き、秋を呼んでいるような。
連日の猛暑酷暑に泣かされた今年の8月。
振り返ると、これまでに感じたことがないほどホンの短い、アッと言う間に過ぎ去ったような気がする。
もう少し日にちがあれば、あれもこれも、もうちょっと欲張ってみたいような、そんな夏であった。
それもこれも、初めての長期夏休みを体験する悠雅君が、「放課後教室よりじいちゃんちがいい」と言い出したことに始まる。
そして今ひとつ、25年ぶりのリーグ優勝目指してまっしぐらに進む「カープの快進撃」がある。
その上に、8月5日から16日間は、リオオリンピックのメダルラッシュと、日本選手の活躍に涙した。
ほとんど時を同じくして、甲子園高校野球も熱戦を展開した。
もちろん、我が家ではお盆を迎えるにあたって、お墓掃除にも汗を流した。お仏壇へのお参り客も接待した。
それこそ数え上げればキリがないほど色んなことがあったことで、忙しく時間に追われながらも充実した毎日を過ごしたということだろう。
一つ動けば大汗が流れる今年の暑さでは、流した汗の量も近年まれにみる大量となった。
その分、疲れもあったのだろうか、明日の予定消化の気持ちの張りがあったのか、夜はしたたかに眠ったように思う。
疲れを翌日に残さないように、夏バテなどと思わないように、日々意識して動いた。言うなれば張りのある8月だった。
日本列島各地に大災害の爪痕を残した台風や局所豪雨も、今年に限ってはこの地方には雨さえも降らせない夏であった。
本当の夏バテや体調不良のツケは、これから10月にかけて出てくる。
今までは被害がなかった台風や局所豪雨も、これからが本番である。
どっちもどっちも、できる対策は講じたいと身構える。秋本番にそれなりの行動がまたいっぱい予定されているのだから。