文字通り鈴なり。やや小ぶりな今年の梅の実
あれこれ手をかけて一年。集大成の実をもぐ作業がやはり一番大変な梅の木栽培。
毎年この時期。梅雨の晴れ間を狙っての作業、蒸し暑さと、いろんな虫との闘いとなる。
今日はまた格別暑い一日。汗が出るなどという生易しさではない。滝の如し・・・?
それでもちょっと手を休めれば、すぐ下に川のせせらぎ、河鹿の鳴き声が慰めてくれる。
至るところ葉っぱにへばりついたカタツムリが、突然の侵入者を迷惑がるように、角も体も殻の中に引っ込めてじ~っと成り行きを見守っている。
すぐ近くには、アマガエルが鮮やかな色を見せて、こちらも「何事もないように・・・」と祈るように静かにしている。
今年は順調な梅雨であったため、こんなかわいいオマケも見せてくれる。
梅の実はといえば、昨年の裏年の元を取り戻して余りある豊作である。
ところが、実の数が多すぎて全体的に小粒である。もぶれついた小枝を、両手でしごくようにもぐほど鈴なりである。
これは、5月から6月にかけて一度は吹く大風が適度に実を落として、一粒の成長を助けるのだが、今年は実を落とすほどの大風にも恵まれなかったようだ。
風が強過ぎたら実を根こそぎ落としてしまう。落とさなければ数ばかり多くなって実太りが悪くなる。自然の力ってこんなところにも微妙な影響を与えている。
やはり、人間の知恵の及ぶところではない大きさを持っている。
下刈り・剪定・梅もぎ。一年に数回重労働を強いられる作業。さて一体いつまで続けられるのだろう。といつも思いながら、作業終了と同時に、シャワーと冷たいビールの接待は、何物にも代えがたい味わいがあるし、梅の実外交も捨てがたい。
梅の実は毎年実るが、こちらの身が持たなくなる時期も遠くはないようだ。