NHK大河ドラマ「龍馬伝」 数回を残すのみとなった。
我が青春を彩った「坂本龍馬」の生き方。及ばずながら、ただひたすら心酔した。
単純に、龍馬の波瀾の足跡を少しでもたどってみたい。お墓に手を合わせたい。そんな貯め込んだ想いが、今回の龍馬伝で爆発した。
一つの夢を、ついにこの足で現実のものにした。京都を訪れた。血が騒いだ!!
京都といえば、何は置いても行くべきところ「本願寺さん」へ先ずはお参り。
「京都に行くときはお数珠を忘れないように・・・」というアドバイスを受けた。
京都駅のガラスに映るおローソクの京都タワーを横目に、烏丸(からすま)通りを北へ歩く。東本願寺・次いで西本願寺。そして、五木小説「親鸞」で憧れた、若き親鸞が比叡のお山から100日参籠を続けたという「六角堂」参拝。
いよいよ目指す「龍馬を取り巻く物語の舞台」。先ずは多くの有為な幕末志士が散った三条小橋「池田屋」。現在では居酒屋風のお店というので、昼食を目指したが、残念、お昼は閉まっていた。
ホテルオークラ一帯が長州藩邸のあったところを横目に、佐久間象山・大村益次郎の碑に遭遇。「おけいはん電車」と呼ばれる京阪電車で「中書島(ちゅうしゅじま)」へ。
龍馬が襲われ、おりょうさんに救われた伏見の船宿「寺田屋」へ。気安くお登勢さんが出てきそうな、如何にもそれらしいたたずまい。部屋の柱には龍馬が発射したピストル弾痕。命がけで闘った刀傷が刻まれていた。指でなぞった。
寺田屋を出て歩くのは「龍馬通り」。古びた喫茶店で一服。お店の壁に錦帯橋ライトアップの写真発見。店番のおばちゃんが相好を崩して、写真の経緯を説明された。思わぬ出会いに、ちょっと鼻を高く・・・。
京阪四条に戻り、京都南座を仰ぐ。いよいよ本命、龍馬の眠る護国神社を目指す。
龍馬と並ぶ中岡慎太郎。今もこの高台から、繁栄に涌く京の街を見下ろす二人のお墓に手を合わす。ここでようやく、胸につかえていたものが軽くなった思い。龍馬が土佐山内家の家老、福岡のお田鶴さんと密会したとされる三寧坂明保野亭もこの目で確かめた。遙かにそびえる霊山観音も間近に見た。すぐ近くにある「清水さん」は次回の楽しみに残し、朱塗り鮮やかな八坂神社に参拝。ダラダラ坂を下り四条大橋を渡る。鴨川の岸辺に、見事な等間隔を開けて座る無数のアベックを眺め、夕食予定の先斗町へ。
そして仕上げは、龍馬の海援隊京都事務所的な「材木商・酢屋」跡。龍馬の妻おりょうさんの若かりし頃の寓居跡。
最後に、龍馬・慎太郎が襲われ、絶命したとされる「近江屋」の石碑と看板を、この目に焼きつけて、龍馬の足跡をたどった京の旅にひとまず終止符。
勝手な思い込みの京の旅の顛末。長々とお付き合いに心から感謝。
今までに、思い立った観光地を数々訪ねた。しかし、今回ほど思い入れが多く、胸躍る旅も少ない。司馬遼太郎「竜馬がいく」が生涯参考書であるように、忘れ得ない旅であり、何かにつけて思い出すに違いない。思い出したらまた書いてみたい。