寒さに震える菜の花 眼に優しい色とりどりの、花 はな ハナ
2・3日前、NHKローカルで流れた菜の花の群生が目に止まった。
オヤッ!この時季に菜の花?と目を凝らしたが紛れもなく菜の花であった。ちょっと出かけて確かめたくなった。
ナビで検索すると30分足らずで行けそうである。「山口フラワーランド」。ちょっとした記念日の添え物に時季外れの菜の花見物。
公式野球場が優に一つは出来そうな広大な面積を誇るフラワーランド。こんな季節に花を見に訪れる物好きは他には見られない。入場係のおばちゃんが暇つぶしなのか、懇切丁寧に予備知識を植え付けてくれた。無数の花を育てる場所だけに、植え付けるのも得意なようである。
「ここをこう出発して時計回りに行くと何々が見えて・・・ ・・・ 3分の2周するとやがて図書室の建物があって、続いて売店やレストラン・・・ ・・・」
でも初めて訪れた我々にとっては実に有難い予備知識ではあった。
お目当ての菜の花は、間違いなく広いスペースに見事な黄色い花を付けていた。
交配を重ね、改良に改良を加えてやっと、この寒さの中で咲き出したという苦労話も。但し、従来の菜の花のように、菜種油は取れないのだそうな。
やはり自然に育つ菜の花ではなく、人工的に品種改良した故の、観賞用として重宝されているということだった。
昭和17年(1942)1月28日。太平洋戦争勃発から50日後、第5子次男坊としてこの世に生を受けた。
紆余曲折はあったが、酸いも甘いも噛みしめるには至らないまま、また一つ歳を重ねた。
若い時に急性肝炎を患って以来、一病息災を念頭に、何かにつけて臆病なくらいに健康維持に気を遣って来た。腰椎椎間板ヘルニアの手術で45日間の入院もした。以降腰の痛みにも敏感になり再発防止に気を配ってきた。他にも扁桃腺除去手術もやった。
そんなこんなで、決して自慢できる五体ではないが、用心と二人連れの慎重さと臆病さが奏功したとでもいおうか、この歳の誕生日を元気で迎えることができた。先ずはめでたし、ということにしておこう。
ただこれまで生きてきた中で、いくつかの品種改良を試みて試行錯誤を繰り返した時代もないわけではなかった。と思いたい。
が、所詮すずめは雀、トンビにもタカにもなれはしなかった。しかし、すずめには雀にしかない倖せを味わいながら、今を迎えたのだと思っている。
今日フラワーランドで目にした早咲きの菜の花の様には、品種改良の効果が現れず、人目を惹きつけるほどのものは持ち合わせない生き方ではあるが、取り敢えず元気に、たとえわずかでも地域の一員として行動できる体力と気力を失ってはいなことで良しとしよう。
明日から始まる新たな歳が、どんな知恵を授け、どんなジイジになって行くのか、楽しみである。