“ 高砂屋~ この浦舟に帆を上げて 月もろともに出で潮の~~・・・ ”
お能の作品の一つで、おめでたい結婚披露宴などの定番となっている「高砂」。
今日の新婚カップルの場合 “ 錦帯橋 相合傘をさしかけて 五連アーチも軽やかに~”というところだろうか。
紋付き羽織はかま姿の新郎さん、寄りそう新婦さんは白無垢に角隠しの盛装。折から錦帯橋祭り、一年で最も人出でにぎわう中を、人力車で練り歩く吉香公園では行く先々でカメラの放列、湧き上がる拍手喝采。二人のこぼれる笑顔がまたいい。日本にしかない風習と言われるGWの二日目。目の保養をさせてもらった。
新緑萌えるお城山を背景に、しずしずと錦帯橋を渡る姿は、この上ない一幅の絵になる。これほどのネタをもらえば、お披露目の司会進行もさぞかし安心して進められるだろうな~などと、ついつい昔取った杵柄を思い出してしまう。
思わず「感想は?」と声をかけたら「気持ちイイスッ!」と返って来た。
派手な結婚式や派手なお披露目から地味婚・地味お披露目への移行が激しいと聞くブライダル業界。需要そのものが減った分、内容をさらに豊富にし選択肢を増やし、需要を回復させたいと知恵を絞る業界。サービスも行き届いて来る分、経費はかさむと言うアンバランスは否めない。
どちらにも一理あって、需要の立場と供給の立場、双方の立場で眺めてみると、はなはだ無責任ながら面白い一面が見え隠れする。
会社現役の時もそうであったが、「付加価値」と言う言葉に色々悩まされてきた。
「企業が自己の段階において新たにつくりだした価値。売上高から原材料費・動力費や、機械設備の減耗に見合った額を控除したもので、労賃・利潤・地代・家賃などに別れる。と書いてある。
それぞれの業界で、如何に付加価値のある製品を産み出すか。
錦帯橋すぐそばにある国際観光ホテル。こういったパフォーマンスで結婚式需要や、結婚願望まで呼び起こしてくれると、独身貴族が全てではないことがアピール出来るのかな。などと、GWで遊び呆ける傍らでちょっと理屈をこねてみた。