青空に映えるハクモクレン
トンビのくちばしを思わせる、固く尖ったモクレンのつぼみ。いつしかふくらみ、一つまたひとつ花開いていく。
あの真っ白い大ぶりな花弁が木全体を覆うようになると、三月も終わりを告げる頃となる。
今年もあちこちで見事な満開のハクモクレンを堪能させてもらった。
そうして迎えた今日弥生つごもりは、朝からあいにくの春雨である。
それも「・・・濡れていこう」などという風情のある雨ではなく、屋根を叩く音がするほどの大雨。
これじゃぁ名前は同じ春雨でも、可愛げがない。それでも、せっかくの桜が咲いたとたんに降る冷たい花散らし雨よりは少しはましか。
個人的には、気鬱になることの多い三月であったような。一日も早く4月を迎えたい、そんな弥生三月を過ごした。
それもそのはず。10歳違いの姉を交通事故という突然の出来事で失ってからまだ4・七日しかたっていないのだ。
気持ちの整理をつけるには今少し時間が欲しいような気がする。
通院が続く耳鼻咽喉科のその後の経過も、イマイチすっきりしない。
CT検査や内視鏡の映像などは「限りなくクロ」である。手術を覚悟するのが、完治への一番近道のようである。
ここ数日の夕方に現れる自覚症状を思うと、手術やむなしと結論せざるを得ない。まあ何とかなるじゃろう。
そんな中で、偶然にも同級生が急きょ夜の駅前に呼び出してくれたり、サークルの仲間と「かんぽの宿」で昼間の宴会を楽しんだり。
結構色々やってはいるのに、4月の訪れが待ち遠しいというのは、ある種の贅沢かもしれない。
春休みの真っ最中で、三兄弟も揃っているが、三男だけは決まったように毎朝やってくる。
遊びのあれこれには閉口するが、体を動かすという点では、運動不足のこの身に彼の存在は、救世主のようでもある。
いずれにしても明日から4月。また色んなこととの出会いを感じながら、春を楽しめたらあり難いのだが。