二十四節気にいう「寒露」や「霜降」を経て早くも神無月つごもりを迎えた。
ここに来て、コロナ禍に押されたのか、はたまた人口減少による商売の厳しさに戦意喪失したのか。我が家のすぐ近くにあった、中型スーパーが10月をもって閉店してしまった。
団地の地続きでクルマも要らない。自分ちの冷蔵庫代わりにつかえる便利さは、この上なく有り難かった。高齢者のひとり暮らしでもコロコロカートを引っ張れば十分な買い物が出来て重宝してきた。
20数年の頑張りであったのに、惜しいことである。この団地の時価に影響を与えかねない一大事である。というほど大袈裟ではないにしても、免許返納が見えている我々にとってスーパーが近くにあるのは、非常に価値あることであり「なんとか持ちこたえられないか」と再度お願いしてみたくなる暗いニュースではある。
それほど大切なご近所スーパーを、その価値を感じて大切に活用してきたか?と聞かれれば正直「ノー!」である。まだまだクルマに乗れるし、ものの15分も足を伸ばせば、超大型スーパーや薬局チェーン、ホームセンターなど目白押し。何でも瞬時に手に入った。それに比べるとご近所スーパーは「卵が10円高い」とか「品数が少ない」とか、足が遠のく具体的な声が聞こえてはいた。
それも、お店に言わせれば「お客が少ないから値引き率も、品数も超大型店に一歩及ばない」。お客に言わせれば「少し割高、品数が・・・」となる。鶏が先か卵が先かのイタチごっことなる。
ひとえに、人口減少という目に見えない大敵は、中小スーパーの大敵である。
今宵はまん丸満月が、分け隔てなく煌々と地上を照らしてはいるが、月を見上げて笑う者、月の光を遮って無念の涙を流す者。同じ満月でも、受け止め方は人それぞれにビミョウな違いがあるようだ。