豪雪と友情(その3終わり)
大騒ぎになり、担任に連絡し急きょ小出病院に向かうことになったのだが、まだ国道さえ無雪化になる前のことである。
担架にけがをした友を乗せて担ぎ足元の悪い雪道を交代しながら同級生全員は言葉少なに歩いた。
高校受験を前にして大けがを負った同級生こそ大変な災難だった。
近年お亡くなりになった彼の母に、その思い出話をすると「おら子はあの日誕生日でのう、それがそう、
足折って帰ってきたんがの、たまげたったてー」なんて言われて、
大笑いしたのはもちろん怪我をした本人が不在の場所だったからです。
その後彼は複雑骨折の回復に手間取り、高校受験に大変な苦労をすることになってしまった。
いや私たちがさせてしまったのです。
今でも元気な姿を見かけるともちろん声、言葉は交わすのだけれど、私の小さな心はちくりと痛むのです。
(終わり)