畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載180「鰍酒」(その3終わり)

2018-12-10 12:08:41 | 食べ物

     (娘を背負って川に行きヤマメを狙う若き父スベルべです)

            鰍酒(その3終わり)

 あの頃は、今のように乱獲と言うことも無く、コップの縁から尻尾がはみ出るような大物もいたものだった。

ほんの少しの間待つと、コップからは香ばしいような何とも言えない香りが立ち上る。

 口を火傷しないように慎重に口元に運び啜ると口中に甘さに満ちた特有の味、そう魚野川の香りが満ちる。

皆が待ち焦がれた至福の時だったなー。


 時は過ぎ、人並みに家庭を持ち水上から長岡に転勤したころ、幼い子供の子守を両親に頼み、

妻と二人で厳寒の魚野川にも行った。

浦佐でたくさん獲ったような訳には行かなかったけれど、それでも家族で十分に鰍酒は楽しめた。


 ある年の正月妻の実家に年始に出かけ、義母に鰍がいるという話を聞いて、

義母の実家の近くの羽根川に出かけた。

 魚野川に比べたらずいぶん小さな川で川に入ることも怖くは無かった。

しかし、そこで獲れた鰍は身の丈はともかくとしてずいぶんスマートであり、

味も脂が乗っていない感じでとても魚野川の鰍の味とは比ぶべくもない味だった。

              (終わり)

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大注連縄を作る

2018-12-10 04:43:47 | 暮らし

 昨日は今冬二回目の降雪があり寒い一日になりました。

10~15センチほどの積雪で、急きょ駅のホーム除雪に出動。2時間ほどで作業を終わりました。

 その後帰宅して、大急ぎで朝食を摂り、8時からの注連縄作りに参加します。

材料の稲わらは、手で余計な部分を漉き取り、木槌で叩いて細工をしやすいように柔らかくします。

 

 先ずは、大注連縄の両端を縛るための細縄の作成から開始。

スベルべもおぼつかない手つきながらもなんとか、縄をなう事が出来ました。

 

 製作する担当は、7年に一度回って来る年行事と呼ぶグループで担当。

7年に1度のサイクルでは手順、方法など覚えている人はまずいません。

 そこで、スベルべが担当役員をした際に撮っていた写真を持参し、皆さんに見せました。

でも、なんと言っても役立ったのは、いつも畑を手伝って下さる近所のオジサンの知恵でしたが。

 

 鳥居二箇所に二本。

神社の社の前に一本と、中の神様の前に短い物を一本の合計四本を無事に作成。

 

 凍える手で、スベルべが脚立に登って石製の鳥居に取り付けました。

こうして、注連縄作りは無事に終了。新しい年を迎える準備が出来たのでした。

 若い人たちにこの手仕事を伝えようと思いますが難しいですね。

近隣の集落でも、これだけ太い本格的な注連縄を作るところは無さそうです。

 少子高齢化の波は伝統行事の存続にさえ大きな影を投げかけられているようです。

神社の周りを覆う、雪囲い板、冬支度の撤去から始まった「年行事」の仕事はこれで終わりになりました。

コメント (4)
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